中国新華社 の吳谷豐が李登輝訪日に関する記事
先日、エントリーを書いた 新華社 の吳谷豐が李登輝訪日に関する記事を発表した。 記事の詳細は朝日新聞でも、 李登輝氏訪日 「日本に媚びる旅」 中国紙が「密着ルポ」で紹介されている 。
1ページすべてを使った記事で、日本各地での李氏の様子を描写。李氏が「台湾万歳」というかけ声に迎えられ、記者団に 「西田幾多郎氏の哲学と思想が台湾の新たな国づくりにとても役立つ」と発言した、などと批判的に報じている。
また、流暢(りゅうちょう)に日本語を操る李氏を「自分がどの国の人間か忘れたようだ」と皮肉ったうえで 「日本人になりたくて仕方がないのだ」と結論づけた。
中国政府は、李氏が日本で政治的な言動をしないかを注視していた。同紙の報道ぶりからは、李氏の行動について、 中国側が突出して問題視する部分を見いだせていないこともうかがえる。
この記事からもわかるように、李登輝は今回の旅行中、メディアに対し、終始距離を保ち、 発言を極力抑えていたため、、中国側が日本を直接非難する理由を見つけられないようである。
また、この記事からわかるように、中国人にとって、「親日」とは、「売国奴」と同義語であるということである。 李登輝は学生時代、日本の教育を受け、日本に留学した経験を持つため、日本語を話せるのは当然である。 また李登輝世代の台湾人知識人にとって、日本語を使うことは必須だった。先日死去した辜振甫も、 非常に洗練された日本語を使えたことは有名である。
中国政府が李登輝と日本のつながりに対して、激しい嫌悪感を示すのは、李登輝訪日前に主張した 「李登輝は台湾独立運動のリーダー」 新華網 と見ている他に、李登輝が持つ親日感情だということを新華社の吳が書いた記事に明確に現れている。 李登輝が流暢に日本語を話すだけで、日本に媚びていると非難している。
今日の 毎日新聞の記事にも、 書かれているが、
いまでも中国の人から頻繁に受ける質問がある。 「日本はどうして、 過去の侵略戦争の歴史を謝罪しないのですか」
中国人は今でも日本人は中国人に対し、過去の謝罪しなければならないと考えている。これは政府、 一般庶民共通の概念だと思う。中国人にとって、戦前の日本は肯定することが許されない歴史だと考えている。 だが李登輝は戦前日本が行った台湾の植民地支配を肯定すべき点では肯定している。
今回の金沢訪問中、 八田与一の功績を残した「ふるさと偉人館」 を訪問し、さらに八田氏の子息に会いに行ったことからも明らかだと思う。
八田与一は、当時東洋で最大規模の烏山頭ダムを計画し、 台湾農業の発展に多大な貢献をした。日本が植民地時代に行った近代化の代表的な例だと思う。台湾の民主化に伴い、台湾国内でも、 八田与一も近年、再評価され、日本植民地時代の見直しが行われている。
一方中国では愛国心教育のため、日本の過去を否定する歴史教育を、さらに推し進め、日本を否定している。
新華社 の吳谷豐の記事がそのことを物語っている。
もう一言、付け加えれば、中国人はよく日本人に向かって「日本人は歴史から何も学んでいない」と非難するが、
この50年間中国は、チベットを侵略し、虐殺を行い、文革では文化遺産の破壊と虐殺を繰り返し、 80年以降も天安門事件や法輪功の弾圧し、今でも政府に反対する人間を逮捕、虐待している国家の人から、「日本は歴史を直視せず、 何も学んでいない。と言われも、何ら説得力がない。
少なくとも、日本は戦前の失敗の反省から、民主化を進め、言論の自由も保障されているし、 少なからずとも政府を非難しても、それが原因で逮捕されることはない。また日本も竹島や北方4島の領有権問題が存在しているが、 それを武力で解決しようと
切込隊長は 日本は中国になめられているのではないだろうかと言っているが、
ここ数年私は台湾にいるため、あまり大陸出身の人間と直接話すことはないが、昔中国人と議論していて、 日本人をなめている以前に、「日本人は歴史を学んでいない」という概念を純粋に信じきっている人間も非常に多いように思える。
中国人の反日思想の原因を考えていると 中国人が持つ中華思想や華夷思想などと密接に関係しているように思える。
那波利貞氏は、
中華思想の主な要素が、支那は世界の中心地なりと謂ふ地理的なものと、支那は世界に於ける文化の中心なりと謂ふ文化的なものと、 支那君主は王道政治を以て世界萬邦に君臨しその徳澤は世界の隅々にまで光被せること日輪の遍ねく照らすが如きものなりと謂ふ政治的のものとの三者なる結果は、 其の發するや極端に相背馳する二方面の傾向を有することとなつた。一は極端なる保守排外の傾向にして一は極端なる開放博愛の傾向である。
要するに、過去の日本と中国の戦争は、中国側が何がともあれ勝利したことによって、中国側が正統、正義だと信じきっている、 さらに先に述べた中華思想と重なって日本に対する憎悪が積み重なっているようにも思える。
| 固定リンク


コメント