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2007.07.23

「兩岸共同市場」がもたらす台湾経済への影響

 2008年に実施される台湾総統選挙で、やはり最大の焦点になるのは、台湾が中国とどのような関係を構築すべきかであろう。

 特に近年の中国の急速な発展により、中国と台湾の経済的関係は深くなる一方である。

 そうした経済状況に対し、国民党陣営側は対中政策の柱として「兩岸共同市場」を構築し、台湾と中国の経済的関係をより強固にすることを主張している。

 この国民党陣営が主張する「兩岸共同市場」が台湾経済にいかなる影響を与えるか、  否定的見解を述べる経済学者も少なくない。

ベーカー大学経済学部の副教授を務める林環牆も、国民党陣営の主張に反対している論者の一人である。

 自由時報の論説に 「兩岸共同市場」の創設に対する否定的見解が掲載されていた。

 林環牆は「兩岸共同市場」は、台湾に大量の中国労働者の流入をもたらし、失業率、ならびに平均薪水の低下を促すリスクが存在し、さらに大きな問題は、「兩岸共同市場」が台湾と中国の経済体の一体化を加速させ、中国と台湾が「単一経済体」になる結果となり、台湾の産業構造が「技術集約型」産業から、「労働集約型」産業に逆流するリスクを指摘している。

以下が林環牆の論説の簡約

http://formosan-voices.blogspot.com/2007/07/blog-post_5858.html

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 中国国民党の馬英九と蕭萬長は最近、「兩岸共同市場」を提起した。それに対し、民進党側は政治、経済的側面双方から馬英九らの主張を厳しく批判している。陳水扁は「中国の農産物、労働者が台湾に大量に流入し、台湾の失業率増加をもたらし、給料の低下、農民の生計に脅威を与え、産業の空洞化が加速する」と非難し、「ひとつの中国市場は災難の開始であり、台湾は中国の離島自由貿易区に矮小化されてはならない」と馬の構想に否定的見解を述べた。

 興味深いのは馬、蕭の反論が非常に弱く、経済的論理で擁護することができないことだ。馬英九は陳水扁の非難に対し、「これは一種の中傷である。私と蕭院長が提起した構想は、台湾経済を助けることを希望しているのであり、台湾経済の周辺化を避けるためである」と延べ、そして馬、蕭ともに「中国人労働者を受け入れるとは主張していない」 と反論した。

 明らかに、馬、蕭の両名は台湾は「鎖国」であると誤認しているだけでなく、一般的な共同市場の制度システムに対する認識に欠け、「両岸共同市場」が台湾経済にいかなる危険と衝撃を与えるか無知であることを示している。

「共同市場」とは非常に密接した区域の経済統合を意味し、「自由貿易区」、「関税同盟」を凌駕した経済関係を意味する。一般的な共同市場のシステムは、区域外貿易に対し、共同関税率を実施するほかに、区域内経済間において、商品貿易のゼロ関税を実施し労働者などの自由移動を許可することを意味する。

 すなわち「共同市場」が成立した際では、台湾社会と労働市場ははいかに「中国人労働者」の流入を受け入れるのか!これは総統候補者ならば、あるべき基本常識である。

 また共同市場があたえる大きな経済的衝撃とは「国際的比較利益」システムが台湾にとって不利な変化をもたらす可能性がある。それはIT産業などハイテク産業による成長モデルが崩壊する可能性である。この衝撃は「国際的比較利益の逆転」と略称できるが各界に軽視されている問題である。

 現在、台湾が兼ね備えている国際的比較利益の産業は技術密集型産業である。中国など発展途上国に対し、台湾は(エンジニアなど)技術豊富な擁しているからだ。

 反対に中国の比較利益の産業は労働集約型産業である。台湾など新興工業経済に対し、中国は安価な労働力を豊富に擁しているからである。

 かりに「両岸共同市場」が成立した場合、双方の言語を熟知している上に、生産要素が自由に移動できるようになるため、台湾と中国は「単一経済体」になる。しかしこの「単一経済体」の国際的比較利益構造では、中国の生産要素が採用され、すなわち労働集約産業である。なぜなら中国の規模が強大だからである。

 そのことは、台湾の国際的比較利益産業が「技術密集型」産業から、「労働集約型」産業に逆転することをもたらし、台湾資本が、この変化に対し、さらに大量の資本を労働密集型産業に投入することを引き起こすと考えられる。このような変化は台湾が高付加価値の技術を創り出すことを阻害する結果となる。

 このような比較利益の転換リスクは、「両岸共同市場」に存在している。 馬英九と蕭萬長はそうしたリスクを理解しているのだろうか。

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