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2009.09.02

ダライラマ訪台の雑感

8月31日、ダライラマが被災地を慰問するため、台湾を訪問している。

 

 ダライラマの今回の訪台は三回目だ。 前回の2001年、台湾を訪問した際では、台北市長だった馬英九もダライラマに面会し、「台北市はダライラマの訪問をいつでも永遠に歓迎する」と表明していた。しかし馬自身が総統に就任した後、その態度は一変している。昨年末、ダライラマが訪台の希望に対し、中国との宥和政策を掲げる馬政権は、ダライラマの訪台を「時期が適切ではない」と拒否していた。

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 大きな被害を出した88水害の祈祷を名目に、民進党系県長がダライラマを招待したのは、馬英九の対中姿勢に対する反発であることをは無視できないだろう。 
 中国は今回の水害に対し、仮設住宅の寄付のほか、5.27億台湾ドルの援助を行うなど、前例の無い規模の援助を行っている。その上、救援用のヘリの派遣など、人員も派遣する事を表明するなど、援助を通じ、中台融和を国際的にも印象づけようとしていた。しかしダライラマの訪台で中国の思惑は大きく外れる結果になってしまった。

株を上げた陳菊高雄市長

 今回のダライラマの入国を主導したのが、高雄市長の陳菊と言われている。先月、高雄で開かれた台湾初の国際的スポーツ大会であるワールドゲームズを成功裏に終わらせた経緯もあり、いま、民進党内で最も人気が高く、評価が高い政治家の一人だ。 今回のダライラマの訪台の実現では、国民党や中国からの妨害を恐れ、一気にダライラマと交渉し、訪台の意思を確認した後、民進党の党中央とも相談する以前に、他の被災地の首長とともに、ダライラマを被災者の供養などを名目に、招待することを発表し、同時に馬英九にビザを発給するように訴えた。 不意を点かれた馬英九側は、すでに厳しい世論の非難を浴びている馬英九は、ビザ発給を拒否できず、入国を許可せざる得なかったと言われている。今回の招待に対し、ある国民党議員の一人は、真珠湾攻撃のようなやり方だと非難したという。ダライラマのビザ発給を拒否した場合、支持低迷に苦しむ馬政権にとって、さらに台世論の怒りを買う事になる。一方で発給を認めた場合でも、中国の怒りを買う事になり、どちらにしても馬英九にとって手痛いダメージを負う結果になる。 過去、中国はダライラマの訪問した欧米諸国に対しても、交流活動を中止するなど、厳しい態度で迎えてきた。しかし今回は、親中派の馬英九をこれ以上、非難できず、訪問を主導した民進党を非難するという形で、抗議を表明している。 中国共産党や国民党の思惑や憤りとは逆に、今回、ダライラマの訪台を実現させたことで、陳菊の政治手腕は更に評価されているようだ。  あるメディアの論評ではダライラマの招待で、他の民進党の他の有力政治家よりも、優れた政治手腕を持っていることをと証明し、「在高雄市長之後,會不會有更驚人的政治大躍進,值得觀察(「高雄市長後、さらに驚くべき政治的躍進を遂げるか、観察に値する」)と結び、ポスト馬英九の有力候補の一人になっている事を指摘している。


台湾でのダライラマの発言

 訪台後、ダライラマがどのような発言を行うのは、その一挙一足が国際的に注目されている。
 一方で、ダライラマの訪台では、統一派など親中団体からの抗議、妨害活動が相次いで、騒動が続いている。30日、高速鉄道に乗る際、または高雄の宿泊地など、各地で、抗議を受けている。 そして、この抗議活動のみを、中国メディアは大々的に取り上げ、報道し、台湾で、ダライラマが歓迎されていない事を強調しようとしている。 ダライラマはこうした抗議に対し、「異なる意見や、異なる宗教があることはとても自然な事だ。私は自由に発言する権利、自由な民主主義を愛しており、人それぞれが、畏れる事無く、自由な発言ができる事は非常に素晴らしい。」
 逆に台湾の言論の自由を讃える発言をしている。 台湾のニュースを読んでいると、ダライラマの一挙一足、些細なことまで報道されており、中国系メディアなど、ダライラマの訪台を苦々しく思っているメディアも少なくない。さらに失言を待ち構えているメディアも存在している。こうした衆人環視の中、このような発言が出来るのは、すぐれた宗教家であることを示しているだろうね。これこそが中国がダライラマを畏れる理由なのかもしれない。

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コメント

ダライ・ラマは、明らかに政治家です。それも優れた政治家。そうでなければ、このタイミングでの訪台を受け入れるはずはありません。
また、そうでなければ、これまでチベットの運動を、ほころびはあるとは言え纏めてくることはできなかったでしょう。
故に中国は怖いのです。

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