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2009.12.12

ナルシシズム型指導者が生み出す悲劇

 中国時報に掲載されていた南方朔のコラムが話題になっている。

 このコラムは直接、馬英九を名指しに批判したのではないが、台湾の人が一読すれば、強烈に馬英九を批判している事にすぐ気付くからだ。馬英九を明の最後の皇帝、崇禎帝と例え、馬をナルシシズム的性格指導者だと非難し、自分の責任を認めず、ミスの責任を他人に転嫁するばかりで、さらに馬英九の人事が身内のみを使うとして、激しく批判している。

日本の某首相とも微妙にダブって見えるのも、興味深いので、簡単に訳してみた。

南方朔觀點-崇禎併發症:自戀型領袖的誤國

 北京故宮の後門には小さな丘があり、煤山と呼ばれている。明朝最後の皇帝、崇禎帝が首を吊り、自殺した場所だ。その樹木は焼かれてしまったが、その後、植え直され、今では大きな木となっている。

 ここで明の崇禎皇帝を挙げたのは、故事を借りて、現在を嘲笑する事ではなく、現代政治学を用いて、分析するだめだ。崇禎帝とはいわゆる「ナルシスト型リーダー」の最も典型的な例だ、指導者の極端なナルシスト的性格が自分を誤り、最終的に民衆、国家までが滅ぶ結果になった。ようするに崇禎の自己愛が、彼を滅ぼす結果になったといえる。

 崇禎帝は典型的な亡国の指導者だった。しかし即位直後はそうではなかった。即位直後、重臣の魏忠賢が横暴を重ね、党は利益に走っていた。崇禎帝は即位後まもなく魏忠賢を処罰し、魏の党派を罷免した。その姿は没落した明王朝の中興する雰囲気すら漂わせていた。崇禎帝自身も得意になり、自分は最も優れた名君だと信じ込んだ。しかしナルシシズムは傲慢に、傲慢は独善的、薄情へと変わっていった。

 明末では無能な肯定や大臣が大勢現れたが、それでも彼らは国家にはまだ有能な官僚、将軍が残っていて、その官僚らに国家を任せる事を知っていた。

 だがナルシストで薄情な崇禎帝は自分だけが正しく、他の人は皆、国家に忠誠を誓っていないと思い込んでいた。熊廷弼、袁崇煥など明末最後の名将さえも殺害してしまった。彼の在位の17年間、自分身近の奸臣しか信じなかった。そのため国はますます没落し、民衆の暮らしは苦しくなった。その結果、貧困した農民が造反し、李自成率いる反乱軍が北京に侵攻した。最もこっけいな事は、崇禎帝は最後まで、国が滅んだのは、自分の責任ではないと思い込んでいた事だ。彼が自殺する際、自分の着物に遺書を書き、そこでもなお「然皆諸臣之誤朕也(臣下が朕を誤らせた)」と書いた。自分が国を滅亡に追い込んだのに、まだ自分とは関係ない、全て他人の責任だと考えていた。まさにナルシシズムが狂気、無能を招いた極地だといえるだろう。

 崇禎帝の独りよがりは、ナルシシズム型リーダーの極端な例だと思われがちだが、近代政治学では、指導者でナルシシズム型の人格を持つ者は非常に多い。一般的には、指導者の自愛精神は、自分に厳しくする事につながり、そのこと自体は悪い事ではない。しかし過度のナルシシズムになると話は別だ。このようなリーダーは自分だけを愛し、他の人をかえりみないそして自分には決して間違いないと信じ、責任は皆、他人のせいだと考える。

 このようなナルシシズム型のリーダーは、庶民にとっては不幸そのものだ。

 (Won’t Get Fooled Again(選挙民進化論)という書籍の中で、ナルシシズム型指導者に関する一章がある。権力が最高潮に達する前は、ナルシシズムが生み出すイメージは人々を引きつけ、マイナス面はまだあまり表面化しない。人々はこうした指導者に対し、過度の期待を抱くため、権力の頂上に登るにはとても有利に働く。しかし権力のトップにつくと、その人格と、能力に、欠点が暴露され、崩れ落ちるように失墜していくのだ。

ナルシシズム型指導者にはマイナス面には、以下のような欠点を持っている。

  1. それらの人は、流ちょうな英語など、自分の特技を他人に見せつける事が好きで、自分がいつでも正しいと考え、他人は自分を誤解し、嫉妬し、中傷していると考える
  2. 他人を見下し、自分こそが最も優秀だと考える。
  3. 最もよく使う言葉は「」で、彼は他人を理解する事もせず、理解される必要性もないと考え、他人が彼の問題を言うとき、いつも別の事をする。ようするに他人に文句を言われるのが我慢できないのだ。
  4. 道徳的な言葉で自分を包み込み、自分を完璧に見せつけようとする。
  5. 年齢や身体に敏感。
  6. 他人を信じないで、自分の身辺の人間のみを信じる。
  7. 他人と成功を分かち合う事を拒否し、過失を担う事も拒否する。
  8. 彼の決定は短絡的だが、それには理由がある。
  9. 部下を肯定せず、部下には忠誠のみを要求する。

 ようするにナルシシズム型指導者の欠点とは恐ろしく、自愛の中で、自己を誤り、天下を誤ることになる。彼は瞬く間に頂上まで上り詰めることができるが、転げ落ちるのも早い。そのためナルシシズム型指導者は注意しなければいけない、選挙応援のように、必死で自己の自愛と自大を自制しなければならない。またこのような指導者を持ってしまった部下も注意が必要だ、なぜなら部下自身が、このようなナルシシズムに陥った指導者を作り出してしまったからだ。すなわち黙って従っていてはいけない、不満の声を挙げなけば、指導者が自身の自愛と自大に気付かないからだ。

参照元

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