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2010.02.19

大谷刑部について

 個人的には、差別問題を過度に扱って、映画や小説の表現にどんどんタブーが生まれてしまうことに抵抗を感じてしまうが、しかしカプコンが発売するゲーム内の大谷吉継の表現は一線を超えて、大きな問題をはらんでいると思う。

問題になっているのは、カプコンが発売する予定の戦国バサラ3というゲームの大谷吉継に関する設定。


201002192248.jpg

 石田三成の友人。徳川家康への復讐にしか目の向かない石田の補佐を司り、西軍の型を保つ。
重い病に侵されており、豊臣秀吉存命の時代より常に周囲から疎んじられてきた。
己の身のみに降りかかった不幸を許容することができず、
すべての人間を不幸に陥れることを目的に、天下分け目の戦を起こすため暗躍する。


このような表現に対し、日本ハンセン病学会が要望書を発表して、

大谷吉継はハンセン病を罹患していたといわれ、多くの方が「大谷吉継はハンセン病患者である」と信じています。

 本ゲームでは大谷吉継が重い病気に侵された不幸から他人を呪うような言動や全身の包帯姿などを認めます。<中略>このような内容はハンセン病患者や回復者の人権や心情を深く傷つける可能性があります。<中略>本ゲームのこれまでのバージョンは中高生が主な購読層となっているようですが、彼らはハンセン病に関する知識をほとんど持っていないのが現状です。本ゲームにおいて、ハンセン病に対する誤解や偏見、差別を招くような表現を避けていただくよう要望いたします

カプコン側に自制を求めるように要望書を発表した。

カプコンには問題が二つがあると思う。

第一に歴史上の人物をモデルにしつつも、史実を全く無視している事。

 大谷吉継はハンセン病にかかり(梅毒という説もあるが)、これらの病は業病と呼ばれ、当時から忌み嫌われる不治の病だった。しかし歴史の記録に残ってる大谷吉継は石田三成は徳川家康率いる東軍に勝てない事を確信しつつも、盟友である石田三成のため、損得を捨て、西軍側に参戦し、大部分の西軍の志気が上がらない中、奮戦し、最終的に自害するという最後を遂げた人物で、江戸時代の講談などでも義の武将として、讃えられることになった。侍としての誇りに殉じた人物として、歴史に名を残した人物である。

こうした人物に対し、すべての人間を不幸に陥れることを目的に、天下分け目の戦を起こすため暗躍する。というのはずいぶんヒドイ創作のように思える。

 そもそも大谷吉継は石田三成に対し、徳川との戦を止めるよう、何度も諌めたが、石田の固い決意を見て、敗北を覚悟しながら、参戦したという記録が残り、ゲームの設定とはまったく逆の立場だった。

 もっともこのゲーム自体、登場人物の年齢、背景などを全く無視した設定ばかりで、歴史人物に名前だけを借りた娯楽ゲームをみれば、まだ許されるかもしれないが

最大の問題は、病気(ハンセン病)のため、全てを呪い、破滅的な性格になってしまったという設定。

これはハンセン病差別の歴史に対して、あまりの無神経のように思える

ハンセン病問題については、Wikipediaでも詳しく書かれているが、日本の場合、最近まで、らい予防法が敷かれ、ハンセン病感染者は強制収容され、そこでは強制中絶や、断種政策が行われ、病気の患者なのに、まるで犯罪者のように扱われてきたという経緯がある。

「らい予防法」は1996年になって、廃止され、その差別は最近になって、ようやく緩和してきた。しかし2003年に起きた黒田ホテルの患者宿泊拒否事件が起きるなど、ハンセン病の差別問題というのは、非常にナーバスに扱わないといけない問題だと思う。

 こうしたハンセン病の歴史を考慮した上で、制作しているならともかく、差別の歴史に対し、あまりの無神経、無関心のように思える。

 ゲームの説明通りならば、ハンセン病に罹ったために、人格までゆがんでしまったという表現になり、ハンセン病という差別を受けていた病気に対し、差別を助長しかねない表現だと言われて仕方ないように思える。

某所で「キング牧師が黒人として生まれ差別されてきた事を恨んで快楽殺人者になったテロリスト」 としてゲームに登場したら、どのような反応が生まれるかという例えを書いた人がいたが、カプコンはまさに同じことをやろうとしているだと思う。

 ネットを見ていたら、これは逆差別だとか、表現の自由に対する制限だとかいう声があるが、大谷吉継という人間、そしてハンセン病の歴史を少しでも知っていたら、同じことは言えないと思う。

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コメント

ハンセン病に関しては、ちょっと考えた方がイイですね・・・

でも、史実のそってないというのはそれでそれでいいと思います。
カプコンは人々が楽しむためにゲームを作っています。形部はこのような設定の方が、内容も盛り上がるのでは?
それに「キング牧師」は有名ですし、あんなこと言われたら驚きますが、形部は特別、有名なわけでもないので人々がこれを聞いても、パッとしないと思います。

最終的に、このゲームをやるユーザーが楽しければいいと思います。
もしこのゲーム内の形部の紹介のされ方が気に入らないのら、やらなきゃいい話です。

それに、中学生などがハンセン病の知識がないために偏見を抱くとのことですが、僕はまず、このゲーム遣るだけで形部がハンセン病とわかるわけじゃないし、まず今の子は話はあまり興味がなく、実際のプレイだけに興味を持ってる子が多いです。特にバサラは。

ハンセン病はどちらかといえば、古い病気です。
言い方が悪いのかもしれないですが、年をとられた方がゲームをするとは考え難いです。

変に大口叩いてしまってスイマセン!
ちょっと思ったことを書いたら、なんか偉そうになってしまいました。

こんばんは。
他の方のコメントに、恨みを持った人物として描いた方が
ゲームとして盛り上がるのでは、とありましたが、私はそうは思いません。
zhenyan様のおっしゃる通り、元々の人物像とは乖離がありますし、
石田三成との友情のエピソード(茶席の話)は、何度読んでも感動いたします。
友情に篤く、男気もあって才に恵まれた悲劇の男。
このフレーズだけで、心が躍るのは大谷吉継ファンだけなのでしょうか?
史実のまま描いた方が、ずっと魅力があると思います。
あと、ハンセン病は決して過去のことではありません。
21世紀になっても、まだ差別は続いており、現在も苦しんでいる方がおられます。
ゲームを製作される方々、プレイする方々の想像力、も問われる問題だと思います。

三成を庇って死んだり、毛利が三成を裏切ったことに激怒したり、十分三成との友情が描かれてますけどね。

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