Twitter

Amazon

無料ブログはココログ

« 最近、中国メディアの電子新聞進出が加速中 | トップページ | 台湾は今回の尖閣諸島を巡る対立をどう分析?(下) »

2010.10.07

台湾は今回の尖閣諸島を巡る対立をどう分析?(上)

 尖閣諸島を巡る対立では、先日、日本の菅直人と中国の温家宝両首相が、急きょ会談を行い、双方の尖閣諸島では主張を譲らないものの、双方の重要性を改めて強調し、いちおう緊張は緩和してきた。

しかし今回の対立で、日中間が潜在的に抱えている双方の安全保障問題を浮き彫りにしたともいえる。

 また今回の対立で、もう一つ注目されているのが、台湾の出方である。

 台湾も尖閣諸島の領有権を主張している。もっと言えば、本来、尖閣諸島問題は日本と台湾の問題である。中国はむしろ、この日台の摩擦に乗じて、主権を主張しているとも言える。

 今回の対立を、台湾側はどのように分析しているのか、現政権の馬英九は親中傾向を強め、今回の対立でも、日本のみを非難し、中国側には何ら抗議を行わず、日本側は台湾は尖閣諸島問題で、中国と手を結び、日本と対抗するのではと疑念を抱く結果となっている。

 一方、台湾内部でも馬政権の尖閣諸島対策に反対する声も小さくない。野党の民進党側は、馬政権が親中傾向を強め、中国共産党と連携するような姿勢に強い危機感を抱いている。

 民進党に近い自由時報では、民進党側が今回の尖閣諸島問題をどのように分析しているのか、元外務大臣を務めた高英茂にインタビューしている。尖閣諸島問題に対する民進党のポジションがよく理解できる内容なので、簡単に訳してみた。


事件の背景

Q. 今回の日中両国による尖閣諸島(中国語では釣魚台)海域での衝突をどのように分析していますか。

高英茂.今回の衝突事件は単純な偶発事件ではないと私個人は考えています。中国は一党独裁国家で個人の自由は大幅に制限されています。今回のように大型漁船が尖閣諸島海域で漁業を行ったのは、背景に何らかの政治的意図があったと考えていいでしょう。さらに今回の事件では過去の同等の事例とは大きく異なり、政府トップの温家宝が直接指揮を行うという最高レベルで対応しています。2009年にロシアで中国漁船沈没事件が起き、大きな騒動になりましたが、その事件の処理ではトップレベルまでには引き上げられていません。

 注意すべき点は新任の日本外務大臣の前原誠司の外交政策は前政権の鳩山、小沢ラインと異なり、親中派では無いことです。記憶に新しい所では民主党が政権交代を実現させた後、小沢一郎は前代未聞の大規模な訪中団を率い、中国に友好的な姿勢を強調しました。また鳩山由紀夫も普天飛行場移転問題に力を注ぐなど、中国に融和的な姿勢を見せていました。しかし菅総理、前原大臣の対中外交政策は、それほど融和的とはいえません。。

 これらの背景を合理的に考えると、菅新政権の対中外交は前任の鳩山の対中融和的な姿勢とは一線を画していました。それゆえ事件が発生した後、中国側はあえて日本に強行姿勢を見せ、北京はこの機会を利用して、管政権を威圧しようとしたのではと考えられます。

日米の国家戦略の大幅な変化

Q. 日米中の三角関係で、今回の事件ではどのような現状を表したと言えるのでしょうか。

. 鳩山、小沢が政権を担っていた間、日米関係は安保、同盟関係などで多くの問題が発生しました。特にアメリカ基地の移転問題や、東アジア全体の共同戦略でも問題が生じていました。管政権の成立後、管総理は「東アジア共同体」について、アメリカも含まれると発言し、アメリカのヒラリーやオバマ大統領も「われわれもアジアの国家である」と発言し、「東アジア共同体」という基本的な戦略枠組みの定義は、鳩山政権から概念から大きく変容しました。

 最近の一連の行動がオバマ米大統領のアジア政策が変化し続けていることを示しています。特に今年3月、北朝鮮が韓国の天安艦を攻撃するという事件が発生して以来、4月にアメリカ、日本、インドで大規模な会場合同軍事訓練の実施。7月、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドの共同軍事演習。そしてアメリカと韓国が天安艦事件以後、初めての軍事演習を行いました。またグアムで十日間の「勇敢な盾2010」演習を行う予定です。この演習規模は非常に大きく、2,3万名のアメリカの各種部隊が、南シナ海からグアムまで演習を行います。これらの行動からアメリカは日米安保の活動を重視している事が分かります。

 噂では今年12月ではアメリカと日本は共同軍事演習を実施し、その主な目的は安保条約が含める地域の軍事部署の強化、演習には沖縄から日本本島を結ぶいわゆる第一列島線 を含み、それは尖閣諸島も日米安保の保護下にある事を意味しています。それはヒラリー国務省大臣も「尖閣諸島は日本の管轄下にあり、日米安保条約第五条に含まれる」と明言していています。 すなわち日米の東アジア戦略はすでに非常に大きな変化を迎えていると言えます。

 9月初旬、ヒラリーはニューヨークの外交関連の委員会でアメリカの外交戦略に関する演説を行い、アジアの重要性を強調しました。スタンバーグ副大臣も9月20日にウィルソン国際学術センターで、日米両国はアジアの安定ため重要な役割を担っていくと協調しました。

 これら一連の行動はアメリカと日本の尖閣諸島事件に対する反応だといえます。同時に中国側に重要なメッセージを送っている。日米安保条約と日米の戦略関係がアフガニスタンやイラン問題でアジアを放棄する事は無いという明確なメッセージを送ったと言えます。


« 最近、中国メディアの電子新聞進出が加速中 | トップページ | 台湾は今回の尖閣諸島を巡る対立をどう分析?(下) »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 最近、中国メディアの電子新聞進出が加速中 | トップページ | 台湾は今回の尖閣諸島を巡る対立をどう分析?(下) »