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2010.10.30

中国がASEANで窮地に?という中国語記事

 まもなくASEAN首脳会談が開かれる。日本では菅直人と温家宝の首脳会談が行われるのかと言う点が注目されていた。

 先日までは首脳会議が行われる見通しだとという聞いていたが、、急きょ取り止めになった。日中関係の緊張は今後もしばらく続きそうだ。

 ところで中国内部では現在のASEAN首脳会談をどのように分析しているのだろうか、

中国側の分析で興味深いコラムが掲載されていたので、簡単に訳して見た。

原文は 東亞峰會:中國的角色危機

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 現在、アジアの指導者がASEAN首脳会談に参加するため、ベトナムハノイに集まっている。日中関係の緊張が今回の会議での主な焦点のひとつになると見られている。

 東南アジア国家には中国と領土問題を抱えている国も少なくない。こうした国家は日中間の対立がどのように展開するのか注目して見守っている。

 元来、アメリカはASEAN首脳会談に参加していなかった。しかし今回の首脳会談はヒラリーがアメリカ代表として出席している。これは来年にオバマ氏が直接、会議に出席するための足場固めだと見られている。ワシントンの専門家らは、こうしたアメリカの動きは中国の極東での影響力に対抗するためだと見ている。

 たしかに今回の会議で日中関係は非常に緊張した局面にあるといえる。ロイターの報道によれば、日中間の領土問題をめぐる対立はここ数年で最も高まっている。そして中国と領土紛争を抱える東南アジアの諸国家も、まさに始まろうとしている日中間のやり取りを非常に注目している。

 日中両国は温家宝と菅直人が会議中に首脳会議を行うのかまだ未確定で、そこからも日中間の対立の深さを窺える。

 当然の事ながら日中対立は今回のASEANのテーマの一つに過ぎない。今回の首脳会談でさらに重要なのは、従来の構成国以外にアメリカ、ロシアが参加したことだ。すなわち今回の会議はASEANにとって大きな分岐点となるだろう。現在、ASEAN首脳会談には中国、アメリカ、ロシア、そして日本、インド、オーストラリアなどの大国の参加している。このように多くの大国の参加は大国間の勢力争いによって不信が深まり、内部分裂するという潜在的な危機をはらんでいる。その対立がASEANの役割に影響するのではないのかという懸念がつきまとう。

 一般的に地域協力機構とはEUのように当地域の構成国から成立している。しかし近年のASEANはアメリカ、ロシア、インド、オーストラリアなど区域外の国家が参加し、大国間の矛盾、問題が東アジアの主導権争いを巻き込むようになった。ASEANの戦略構想とは、大国間の精力争いを利用し、その大国の勢力をによって、東南アジアに一種のバランスをもたらし、特定の大国が東南アジアで突出した力をえる事を防ぐ事だった。

 90年代からASEANは一貫して大国間のバランス外交を追求してきた。ASEAN論壇の成立させ、アジア、欧米の首脳を招く首脳会談の実施、関連国家から成立する10+3ASEAN機構の成立、区域外のインドがASEAN首脳会議の参加、アメリカとロシアの参加を歓迎する事、これらの事はASEANが大国均衡外交を推し進めた結果だといえる。

 こうしたASEANのやり方は、二点から読み取る事ができる。一つ目はASEANは、その組織そのものが、パンアジア指向を示している。インド、オーストラリア、ニュージーランドの参加は東アジアの共同体がさらに大きな活動空間を有する事を示している。インドは南アジア全体と結びつけ、オーストラリア、ニュージーランドの参加はオセアニアまでその概念を拡大する事を意味する。ASEANの開放的な吸引力によって、アメリカ、ロシアが参加する事が可能となり、この舞台で様々な問題を討論でき、さらに多くの問題を解決する事を可能としている。

 二点目はアメリカ、ロシアがASEAN首脳会議に参加する事はASEAN諸国による中国に対する対抗手段だと言える。ASEAN諸国の関係者は極力、否定していても、強大化する中国に対するバランスをとるためだというのはきわめて明らかだ。ASEANのある外交官は「中国の経済と軍事力が強大化する中、アメリカ、ロシアとの関係を強化する事は、力関係のバランスをとる役割を果たすだろう」とAFPの取材に答えている。バランサーがいなければ、中国が主導権をASEANの握る事になる。すなわちASEANが外部の力を借りて、中国の影響力を削ごうとしているのだ。

 ASEAN参加国が増強される事は従来の政治構造が大きく変容する事を意味する。中国が東南アジアで権益を拡大する事に大きな挑戦を受け、その権益をアメリカ、ロシア、インド、日本などに分割される可能性がある。

 現在のASEANでは、日本と韓国はアメリカの同盟国で、ロシアはベトナム、インドと伝統的に友好的だ。他の東南アジア諸国も良好な関係を保っており、多数の優位性を保っている。その中で中国は孤立無援で、一国では何もできない状況になりつつある。

 実際に中国のアジアに対する影響力はアメリカと比べるとはるかに劣る。たとえばヒラリー国務省大臣が南シナ海の主権問題で中国に対する態度を明らかにした際、東南アジア諸国はアメリカに追従する態度をみせた。そして中国はアメリカの外交攻勢に受動的な立場に余儀なくされたのは、周知の通りである。ここ数年来、中国は東南アジアに心血を注ぎ、交通施設の援助、経済的一体化など、ASEAN諸国を支持する活動を行っていた。しかしアメリカ、ロシアが一度、介入した場合、中国の数年来の努力は霧散してしまうだろう。

 確かに中国のアジアにおける地位は極めて重要な地位にあり、その一挙手一投足が重大な決定力を持つようになってきた。その経済力は日本をすでに越え、世界第二位のGDPを誇り、国際社会ですでに大きな影響力を有し、今後、中国、アメリカのG2が世界を牛耳るとも言われている。国際社会では中国は上手い立ち振る舞いをしていると言える。しかしアジアでは中国は将来的な展望を打ちだす事が出来ていない。善隣外交を行う以外、戦略的外交を中国は打ちだす事ができていない。ASEAN10+3、あるいは日中韓首脳会談なども、大勢の形成に従ったに過ぎない。

 多くの大国がASEAN首脳会議で勢力を競いあう中で、中国は厳しい局面を迎えている。これは我々が見たくない光景である。しかし角度を変えると、ASEAN諸国はメンバー国を拡充し、アメリカ、ロシア、日本、インドなどの国家で中国に対抗しようとしている。しかしその目的が果たせるとは限らない。それどころかASEAN諸国が追いつめられ、大国に振り回され、自業自得になる可能性がある。現在、中国が参与している国際組織はすでに多い、ASEAN首脳会議に精力をつぎ込む必要性はない。そうしたことで中国のASEAN首脳会議の役割を減らす事ができる。

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 このように現在中国はASEANで孤立し、数年来の外交努力が水の泡になる局面を迎えていることを認めている。事実、南シナ海の権益の拡大を目指す中国に対し、対中包囲網が徐々に形成されつつあり、この記事はこうした中国のASEAN外交の苦境に対する焦り、苛立ちを隠していない部分がある。

 

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