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2010.10.13

アメリカが台中接近する馬政権に警戒?

 馬英九が台湾総統に就任して以来、中国とECFA協定を結び、経済の一体化を推進するなど中台は急速に接近している。

 馬英九自身は中台の接近は両岸海峡の安定化に大きく貢献していると主張し、その成果を国内外にアピールしている。

 アメリカは現在の中台接近をどのように観察しているのか。先日、ちょっと気になる記事がVoice of Americaに掲載されていたので、少し訳してみた。原文は专家:台应与美日密切合作换取奖励

 国務省を務めていたRandy Schriverは先週、台湾で開かれた安全保障に関するシンポジウムに参加し、シンポジウム終了後、記者の取材に対し、気になる発言をしている。

 「アメリカ政府高官を含め、多くの識者が指摘しているように東アジア情勢の変化に伴い、アメリカは東アジア戦略を練り直していて、台湾の戦略的役割も調整される見込みだ。」

 「台湾の戦略的地位はまさに変化している最中である。それはアメリカの戦略変更のためであり、それは中国の影響のためだ。アメリカとその同盟国は現在、東アジア戦略を再定義していて、私個人は台湾はアメリカの東アジア戦略で重要な位置にあると考えている。今回のシンポジウムで、多くの識者も同じような認識である事を再確認できたことは意義ある事だと思う。」

 「確かに台湾は中国と関係を改善している。しかし台湾はアメリカ、日本との協力関係をより重視する必要がある。」と最近の中台接近に危惧する発言をした。

 「台湾は他の民主国家と共通の利益を有している。しかし同じ価値観を共有する民主国家と中国は地域の将来的なビジョンが大きく異なっていることを忘れてはならない。そのため台湾はアメリカ、日本との協力関係をさらに強固にすべき」と発言し、「これは中国との関係を改善するなと言う意味ではない、しかし同じ民主的な価値観を持つ国家との関係を重視する事こそが、最終的な国益となるのだ。」

 この発言のRandy Schriverは国務省を退任し、安全保障系のシンクタンクに就職しているため、彼の発言がアメリカを代表しているわけではない。しかし彼自身は親台派として知られていて国務省在任中も何度も台湾に足を運び、台米関係の強化を務めていた人物である。

 こうしたアメリカの親台派にとって、台湾と中国が経済的、政治的に急接近している現状をどのように分析しているのか、この発言はアメリカの微妙な姿勢を示していると言えると思う。

 台湾が軍事的にも中国の影響下に入る事になった場合、東アジアの軍事バランスは大きく変容し、アメリカの影響力は大きく削がれる事になる。そうした状況を快く思わない層も少なくないことをしめしている。

 もう一つ興味深いのが中国とは価値観が異なると強調している点。

最近の中国は国力の充実とともに、以前に増して、太平洋での影響力を増そうと、拡張を推し進めている。日本も先日の尖閣諸島を巡る対立で、強硬な中国の姿勢、反日感情に改めて中国と日本とは価値観が違う国家であると再認識した日本人も少なくないだろう。

 こうした中国の拡張と、民主主義国家の価値観とは根本的に相いれることは出来ないと主張している。

 尖閣諸島問題では、馬政権は明らかに中国側に肩入れする対応を見せて、中国の尖閣諸島での活動にはいっさい抗議せず、日本側のみに抗議し、日本側は台湾は、中国と連携するのではという疑いを強めている。中国自身も尖閣諸島問題で、台湾と連携し、中国の統一工作の一環として取り組んでいる節がある。

 そんなわけで、アメリカ保守層には、現在の馬政権の中台接近を必ずしも歓迎しているわけではないという話。

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