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経済

2010.01.25

昨年台湾の労働環境

 最近の台湾経済は、平均株価は金融危機から抜け出し、中国の株価上昇も影響も受け上昇傾向にあるが、台湾の労働環境は確実に悪化している。

自由時報の報道によれば、

行政院が発表した昨年の失業率は5.85%に上り、失業者数は63.9万人にのぼり、さらに潜在的失業者も含めると、7.35%になり、統計以来、過去最低の水準でことが分かった。

 深刻なのは、失業率だけでなく、賃金の減少も深刻だ。名目賃金は42451NTドル(約11万9千円)で、前年の同期と比較して、4.92%減少した。この数字も統計を始めてから、過去最悪の数字である。物価の上昇などの要素を取り除いた実質賃金は40639NTドル(約11万4千円)で、13年間で最も低い数値となり、前年に比べ、4.03%減少し、これも過去最悪の統計だ。いうならば賃金水準が13年前の状態に戻ったともいえる。

 昨年12月の失業率は5.74%で、四ヶ月連続で回復傾向にあるが、NIES諸国と比較すると、最悪である事に変わりない。

去年12月は63万人の失業者で、11月と比較すると1.3万人減少しているが、中高年(45歳以上64歳未満)の失業者、また一年以上失業している長期失業はまったく改善していない。また長期失業者は11.4万人で、11月に比べ、2000人増加し、6年間で最も高い数字になっている。

 国民党馬英九は前回、総統選挙の際、失業率3%、一人当たりGDPを3万ドル(約269万円)に上昇させることを選挙公約にしていたが、選挙後、台湾の労働環境は悪化する一方のようだ。

 簡単に言えば、台湾の企業の中国進出が進み、台湾の空洞化が進んでいるというのが、台湾の実情のようだ。

参照元 自由時報

2009.09.24

台湾経済不況がより深刻に

 台湾の景気関連のニュース、

台湾の不景気は日本以上に深刻だ。

 行政局が発表した8月の失業率は6.13%で、失業人数は67.2万人に上っている。この数字は統計開始以降、最も高い失業率を更新した。この失業率は東アジア諸国の中では最も悪い数字である。

 台湾では、日本と異なり、9月が新学期の始まりで、7月が卒業だ。こうした新卒者の就職も非常に厳しい結果が出ている。今年学校を卒業した新卒も就職が難しいだけでなく、

 昨年卒業した人の33.2%がまだ正式な職が見つかっていないという統計が出ている。さらに修士、博士学歴の未就職の比率は、4割近いという統計となっている。

 深刻なのは、 失業率だけでなく、一人当たりの給料も減少している。行政院統計局の統計によれば、本年度の1月から7月までの、名目、実質的平均給与は去年同期と比較して、7.16%6.5%の減少を記録し、これは統計開始以来、最も大きな減少だ。またこの数字は、13年前の水準に等しい。

この事は台湾企業の中国進出が加速する一方、台湾経済の空洞化がますます加速している事を意味している。

 企業が台湾内部の工場を廃止し、中国の工場に移転する一方、その失業者を吸収できる新しい産業が生まれていない。もともと外需依存型経済の台湾では不景気で内需は下がる一方で、消費者物価も減少を続け、台湾内部の産業は弱体化する一方だ。

2007.07.23

「兩岸共同市場」がもたらす台湾経済への影響

 2008年に実施される台湾総統選挙で、やはり最大の焦点になるのは、台湾が中国とどのような関係を構築すべきかであろう。

 特に近年の中国の急速な発展により、中国と台湾の経済的関係は深くなる一方である。

 そうした経済状況に対し、国民党陣営側は対中政策の柱として「兩岸共同市場」を構築し、台湾と中国の経済的関係をより強固にすることを主張している。

 この国民党陣営が主張する「兩岸共同市場」が台湾経済にいかなる影響を与えるか、  否定的見解を述べる経済学者も少なくない。

ベーカー大学経済学部の副教授を務める林環牆も、国民党陣営の主張に反対している論者の一人である。

 自由時報の論説に 「兩岸共同市場」の創設に対する否定的見解が掲載されていた。

 林環牆は「兩岸共同市場」は、台湾に大量の中国労働者の流入をもたらし、失業率、ならびに平均薪水の低下を促すリスクが存在し、さらに大きな問題は、「兩岸共同市場」が台湾と中国の経済体の一体化を加速させ、中国と台湾が「単一経済体」になる結果となり、台湾の産業構造が「技術集約型」産業から、「労働集約型」産業に逆流するリスクを指摘している。

以下が林環牆の論説の簡約

http://formosan-voices.blogspot.com/2007/07/blog-post_5858.html

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 中国国民党の馬英九と蕭萬長は最近、「兩岸共同市場」を提起した。それに対し、民進党側は政治、経済的側面双方から馬英九らの主張を厳しく批判している。陳水扁は「中国の農産物、労働者が台湾に大量に流入し、台湾の失業率増加をもたらし、給料の低下、農民の生計に脅威を与え、産業の空洞化が加速する」と非難し、「ひとつの中国市場は災難の開始であり、台湾は中国の離島自由貿易区に矮小化されてはならない」と馬の構想に否定的見解を述べた。

 興味深いのは馬、蕭の反論が非常に弱く、経済的論理で擁護することができないことだ。馬英九は陳水扁の非難に対し、「これは一種の中傷である。私と蕭院長が提起した構想は、台湾経済を助けることを希望しているのであり、台湾経済の周辺化を避けるためである」と延べ、そして馬、蕭ともに「中国人労働者を受け入れるとは主張していない」 と反論した。

 明らかに、馬、蕭の両名は台湾は「鎖国」であると誤認しているだけでなく、一般的な共同市場の制度システムに対する認識に欠け、「両岸共同市場」が台湾経済にいかなる危険と衝撃を与えるか無知であることを示している。

「共同市場」とは非常に密接した区域の経済統合を意味し、「自由貿易区」、「関税同盟」を凌駕した経済関係を意味する。一般的な共同市場のシステムは、区域外貿易に対し、共同関税率を実施するほかに、区域内経済間において、商品貿易のゼロ関税を実施し労働者などの自由移動を許可することを意味する。

 すなわち「共同市場」が成立した際では、台湾社会と労働市場ははいかに「中国人労働者」の流入を受け入れるのか!これは総統候補者ならば、あるべき基本常識である。

 また共同市場があたえる大きな経済的衝撃とは「国際的比較利益」システムが台湾にとって不利な変化をもたらす可能性がある。それはIT産業などハイテク産業による成長モデルが崩壊する可能性である。この衝撃は「国際的比較利益の逆転」と略称できるが各界に軽視されている問題である。

 現在、台湾が兼ね備えている国際的比較利益の産業は技術密集型産業である。中国など発展途上国に対し、台湾は(エンジニアなど)技術豊富な擁しているからだ。

 反対に中国の比較利益の産業は労働集約型産業である。台湾など新興工業経済に対し、中国は安価な労働力を豊富に擁しているからである。

 かりに「両岸共同市場」が成立した場合、双方の言語を熟知している上に、生産要素が自由に移動できるようになるため、台湾と中国は「単一経済体」になる。しかしこの「単一経済体」の国際的比較利益構造では、中国の生産要素が採用され、すなわち労働集約産業である。なぜなら中国の規模が強大だからである。

 そのことは、台湾の国際的比較利益産業が「技術密集型」産業から、「労働集約型」産業に逆転することをもたらし、台湾資本が、この変化に対し、さらに大量の資本を労働密集型産業に投入することを引き起こすと考えられる。このような変化は台湾が高付加価値の技術を創り出すことを阻害する結果となる。

 このような比較利益の転換リスクは、「両岸共同市場」に存在している。 馬英九と蕭萬長はそうしたリスクを理解しているのだろうか。

蕭萬長がインタビューで台湾の区域統合の推進を主張

 先のエントリーで述べたとおり、国民党陣営が「両岸共同市場」を提起した後、民進党陣営を中心に反論が相次いでいる。そうした反論に対し、元行政院長であり、国民党副総統候補の蕭萬長が東森で反論を述べている。

 原文は以下から。
金融風暴10周年/台灣應放棄鎖國並掌握區域經濟整合

 蕭萬長の主張を簡略すれば、10年前、行政院長として、アジア危機に対処した実績の強調し、そして中国との経済統合の必要性を主張している。

 事実、97年のアジア金融危機の際、ほかのアジア諸国が深刻な金融危機に陥った中、台湾は安定した経済成長を続けた。そうした経済危機を強調しつつ、蕭萬長は現在の陳水扁政権には政策の一貫性が欠け、グローバル化と区域経済の統合の潮流に遅れ、台湾の経済競争力が落ちていると批判し、生産拠点としての中国市場の有望さ、そして巨大な中国市場の魅力を強調し、中国との経済統合を進めることを主張している。

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 10年前、アジア金融危機の際、台湾の経済状況は、人々から羨望され、NIES(香港、シンガポール、台湾、韓国)のなかで、もっとも高い成長率を誇った。10年が過ぎた現在、台湾の競争力はアジアの諸国家の中で遅れをとり、10年前、危機に陥ったアジア諸国家は自信を持って前進する中で、台湾は相変わらず元の場所に留まり、その差異は大きくなる一方である。これは深く反省すべきことである。

 台湾が元の位置に立ち止まっている最大の原因は、2000年の政権交代以降、政策は連続性に欠け、中国化を排除し、鎖国政策を死守し、グローバル化と区域経済統合の潮流を把握していないことが、台湾の競争力を低下させている。国民は皆それを体感しているはずである、すなわちイデオロギーから抜け出し、さらに大きな枠組みを創り出さなければならない。

 10年前、自分が閣僚に任命され、政策の舵取りを任された際、アジア危機がもたらした重大な衝撃に直面した。自分は薄氷の上を歩むように、慎重にその変局に対応し、台湾は危機を無事に乗り切ることができた。その主な要因は、自分が主導した経済チームに以下の6項目の措置を採ったからである。

 第一、正確な産業政策の作成。ハイテク産業の育成を促し、高度成長をもたらすこと。ほかのアジア各国の輸出が減少した際、台湾の輸出成長率はむしろ増加した。

 第二、メカニカルな為替レートを採用したこと。台湾ドルの米ドルに対する為替レートを26台湾ドルから34台湾ドルに低下させ、輸出競争力を増加した。

 第三、両税の統一化を実施し、伝統型産業の転換を推奨したこと。

 第四、金融営業税率を5%から2%に減税したこと。それにより銀行の貸し倒れを防いだ。

 第五、株価の安定。第六、企業の財務問題の解決。劉兆玄、江丙坤、邱正雄、許遠東、彭淮南、王志剛、韋端、郭婉容など財務チームと協力し、毎日、国際とアジア各国の財務情報を収集し、検討を進め、対策を練り、各産業の問題を解決することをまい進し、その結果、台湾は無事アジア危機を乗り切ることができた。

 台湾の株価指数は当時9000台湾ドルから5400台湾ドルまで減少し、世論は証券取引税の減税を求めたが、自分は断固として拒否し、その理由は台湾経済は悪くなく、株価の急下落は短期的な心理的要素によるものが大きく、政府は一定の政策を堅持し、混乱してはならなかった。最も重要だったのは根本的解決であり、それは経済体質、すなわち金融、産業、人的資源など各種産業から検討し、その体質を強化し、さらに高度化を加速することであり、それは人体の体質を強化するのと似ていて、免疫力の向上は伝染病に対抗力がつくのと同様である。しかし残念なことにこの七年間、政府は健全な経済体質を建設する方案を棚上げしてしまった。

 

 一方で韓国は国家が破産の危機から脱出し、台湾の国民所得を越し、外貨準備高も台湾を超過している。それは前大統領の金大中が学者、専門家などの提案を採用し、国会に人民の圧力に直面させ、国会の少数与党が各種経済振興策を通過させた。

 それは市場機能を尊重し、金融改革の実施を徹底し、産業高度化の促進、文化産業の奨励などである。その結果、10年以内に、再び成長し、近年ではグローバル化を推し進め、区域経済の統合の潮流を掌握し、2010年以内に東アジア、アメリカ、日本、中国、ならびにEUなどの重要貿易相手とFTA協定の締結を完成を目指している。

 シンガポールはアジア危機の後、さらに開放を推し進め、専門的人材の移民の吸収を進め、10年間で人口数は250万人から、420万人に増加し、スイスのプライベート銀行業務の開放をモデルにして、シンガポールを運輸センターから金融センターへの転換させた。

 韓国、シンガポールなどアジア諸国はすでに準備を整え、グローバル化と区域経済の統合による商機を把握し、順応している状況に直面し、台湾は中国共産党の圧力で機会が無い事を理由に、鎖国政策を施行し、グローバル化と中国化を排除している。グローバル化とは、中国化+あらゆる国家化であり、グローバル化は中国化とは異なる。だが中国化はグローバル化の重要な一環である。

 台湾は中国化を排除することは不可であるだけでなく、中国が優位な生産条件をさらに利用すべきである。かりに権勢や利益に走り、実現できなければ、台湾伊最大の脅威を生み出す可能性がある。韓国は機先を制し、台湾の競争力が低下した後、さらに優勢に立ち、整合を速やかに進めている。特に中国の興隆の後、巨大な輸入消費市場に変化している。台湾が位置する区域優勢とは豊富な資金と台湾資本家を後ろ盾に、製造業を主に、グローバルなサプライヤーとして重要な役割を果たしている。ネットワークの建設の完備と優秀な人材、ならびに新しく創造できる環境を兼ね備えている。このような優位な条件にある台湾は、有効的な統合を進め、APECのFTAを通じ、区域経済の統合に達することができれば、台湾はさらに多くの可能性を有していると考えている。

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以上が蕭萬長の見解。

 以下は素人の感想文。経済は門外漢で、自分の専門分野は歴史社会学なので。

 蕭萬長は10年前の行政院長の際の経験を語っている最中の経済政策はきわめて具体的な数字、政策を述べている反面、現在、今後の台湾経済のテーマになった途端、その表現が抽象的になり、具体性に欠けている印象を持った。

第一の疑問点、台湾の国際的競争力は低下しているのか

 IMDが発表した2007 年の世界主要国の国際競争力、ならびに投資環境のランクでは、台湾は日本に次いで、18位に位置し、3位のシンガポールの後塵を拝しているものの、韓国の38位に対して、遥かに優位に立っていると発表している。

台湾の国際的競争力の変動

 年度

項目

2003 年 2004 年 2005 年 2006 年 2007 年 変動
ランク 17 12 11 17 18 -1
分類            
一、経済表現 29 22 17 25 16 +9
二、政府効率 20 18 18 23 20 +3
三、企業効率 11 6 6 13 17 -4
四、インフラ 20 18 16 18 21 -3
 資料元:http://twbusiness.nat.gov.tw/asp/superior7.asp

 グラフは2003年から2007年までの発表を元していて。

蕭萬長は台湾の国際的競争力が低下していると批判しているが、事実、ランキングは上昇傾向ではないことは確かだが、低下しているともいえない。

 蕭萬長は韓国が改革によって、国際的競争力を増していると強調しているが、実際には近年、韓国のランキングは低迷傾向を示し、韓国の改革は限界が見え始めて、韓国をモデルにするのは、すでに時代遅れであることは明らかであろう。台湾の国際的競争力が低下している指摘は必ずしも正確ではないと思えるが、実際にはどうなんだろう。

 台湾が強い競争力を有する産業と、シンガポール、韓国は大きく異なり、両国を改革成功のモデルにすることは大きな間違いではないのだろうか、とくに台湾と中国の関係は、中国が統一を主張する現状では、ほかの諸国と条件が異なりすぎる。

 

第二の疑問、区域経済の統合は台湾を繁栄させるのか

 蕭萬長は現在、区域経済の統合は当然の潮流であると主張し、台湾の唯一の成長の路は中国との経済的統合であると訴えているが、区域経済の統合が、実際に台湾に利益をもたらすか、検討する必要性が多いのでは。

 特に中国と台湾では、経済状況、貨幣価値の差異が小さくなく、安易な区域統合は安価な中国産の製品が流入をもたらし、台湾の農産業を壊滅させる可能性があるのでは。

 国民党側は「両岸共同市場」を主張する際、中国の巨大な消費市場を強調する反面、中国製品がさらに台湾に流入し、その流入が台湾経済にどのような影響を与えるのか、軽視しているように見受けられるが、実際はどうなのか。

 また近年、日本、アメリカなどで、中国の粗悪な製品が流入し、それが大きな社会問題になっている。

 アメリカではChina Freeというコピーが作られ、非中国産というのが、広告文句のひとつになり、日本でも、中国産の食品を避け、高くても国産の商品が売れるようになりつつあるというニュースが流れている。

 近年、アンチ中国の潮流を国民党はどのように見ているのかという疑問。

 ようするに蕭萬長は、アジア危機の活躍は、間違いないことだが、その認識が微妙に古いのが否めないのではというのが、東森のインタビューを読んだ個人的な感想。

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