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2011.01.14

中国の失地農民について

 近年、中国の発展が著しいことは周知のことだが、この繁栄の裏に、土地バブルの発生による土地の買い占め、強制的立ち退きなど負の一面も起きていることもよく知られている。

 日本が80年代後半に経験したバブル景気と現在の中国経済の状況は大きく異なり、中国は今でも深刻な貧富の差を抱え、しかも好景気にも関わらず、多数の失業者を抱えているなど、深刻な社会矛盾を抱えている。

 そうした発展する中国が抱える深刻な問題の一つには『失地農民』、すなわち急速に進む開発、または土地バブルの余波を受けて、多数の農民が土地を失っているという問題である。Voice of Americaに中国の土地を失った農民、そうした農民らの就職問題に関する興味深い資料があったので、訳してみた。


 著名な学者である費正清は以前、「中国は統計学者にとって地獄である。」という言葉を残している。中国の機密資料に触れる事ができない学者にとって、正確なデータを参照することは非常に難しい課題だ。

 北京の中央政府は2003年、土地を失った農民の人数と、彼らの就業状況を報告するように中国各地方の省政府に通達をだした。しかし中国全土を網羅したし正確な資料が欠けているのが現状だ。

 その2003年の調査を元に、浙江師範大学教授の王景新が土地を失った農民の人数の推計を発表している。

 2003年、王教授は河北、山東省、湖北省、広西省、浙江省、雲南省など11省と134県でサンプル調査を行い、この調査から土地を所有している農民人口は全体の84.5%だったことが分かった。少なくとも13.7%の農民には土地を持たず、農地を失った農民が5,093万人から5,525万人いることが分かった。

 また産児制限を超えた出産などの理由で、土地が分配されなかった農民の人数も加算すれば、農地を持たない農民の人数は6000万人を超すと考えられる。

 さらに2003年から2006年までに中国全土で合計約1億2700万人もの農民が農地を失ったと考えられる。

 2006年3月、中国農業省は接収された土地の面積を調査するよう通達をだした。その調査から、工業化と都市化とともに、一年間で農村の立ち退きを迫られた土地の面積は400万亩(*亩は中国の土地の単位、1亩は0.0667ヘクタール=0.165acre)、そのうち200万亩はもともと農地で立ち退きによって、約100万人の農民が農地を失っている事が明らかになった。

 中国農業省が公表した中国全土の流出した耕地総面積は、平均耕地の推計に基づく簡単な統計に過ぎない。実際の中国の一人当たり平均耕地は2亩以下に減少している。1996年の統計で農民一人当たりの耕地面積は1.59亩、それから10年後の2006年には1.39亩まで減少している。すなわち1996年から2007年の11年間で、中国の総耕作地の面積は1億2500万亩も減少した。減少した農地の総面積を一人当たりの平均農地である1.4亩で割ると、2007年までに中国全土で、およそ8928万5千人の農民を耕地を失ったと考えられる。

 さらに2008年以降、中国の不動産はバブル状態に陥り、接収された農村の土地はさらに増加している。

 中国国土資源省は山東省、天津、江蘇省、湖北省、四川省などで「都市建設用地増減管理法」を試行し、2008年から正式に実施している。その新しい管理法とは、農村の建設用区画地と都市の区画の割合が直接リンクし、農村で建設用に区画された土地を整理し、耕地を増増加させた場合、都市部で同面積の土地を建設用区画の土地に転用できるようになった。この政策の結果、各地で土地の区画変更が行われるきっかけになった。およそ20省、市でこの政策が奨励され、大規模な「農民マンション居住推奨運動」が行われた。この計画に応じ、様々なスローガンが掲げられ、「都市と農村の統一計画」、または「新農村計画」、「旧農村改造」、「小都市化」などを謳い、土地区画の見直しが行われた。しかしその見直しとはは農民を強制的に立ち退きを命じるもので、現地政府が暴力的に、現地の農民に強制立ち退きを命じ、多くの農民が居住地を奪われるという例が相次ぐことになった。

 この土地を強制接収する目的は明らかで、農民をマンションに居住させ、農村の住宅用と区画された土地を減らし、その一方で、都市で建設用地区画の割合を増加させる事だった。

 中国各地の農村で、強制立ち退きの結果、何人もの農民が土地を失ってしまったのか、その詳しいデータは今も明らかでないが、少なく見積もっても2000万人の農民が土地を失ってしまったと考えられる。すなわち最も控えめに計算しても、ここ数年の経済発展の一方、1億2千万人の農民が土地を失ったと考えられる。

 この農村強制立ち退き運動で、数千万人の農民が家だけでなく、未来までも失ってしまった。彼ら土地を失った農民が直面する最大の問題は就職が難しいことだ。この7,8年間、多くの地方政府の研究機関などでは農民の調査を行っている。

 その調査の結果、35歳以上の土地を失った農民のうち、30%から40%が就職できず、仕事が見つからない状態になっていることが分かった。しかしこれは控えめなデータだと考えられる。

 中国社会科学院の調査チームが以前、広東省の各都市で調査を行った。その結果、土地を失った農民のうち、68%が仕事が見つからないという統計が公表されている。広東省は中国内でももっとも経済が発達し、仕事の機会も中国内陸部よりも多い土地だ。にもかかわらず、多くの失地農民は仕事からあふれてしまっている。この広東省の結果から、他の地区が広東省よりも就職機会が多いとは思えない。

 就職問題は中国が抱える最も大きな問題だ、中国農民は都市化の名目で土地を失った後、就職機会がない、農地がない、住居がないという状況に追い込まれがちである。

 このような就職機会がなくなる「都市化」は、すでに「偽都市化」と言っても良い。中国中央農村工作チームのサブリーダーも、現在のような安定した時期に、大規模な農村の強制退去を行われるような事例は「中国の歴史上、前例がないことだ」と警告を発表し、今の無摂生な開発は、後に大きな禍根を残す可能性があると発表している。

まとめ

  • 中国の土地を失った農民の正確な人数を把握することは難しい。
  • 2003年の調査では、5,093~5,525万人の農民が土地を失っていた。
  • 2006年の調査で、土地を失った農民の人数はさらに増加し、約1億2700万人の農民が土地を失った。
  • 2008年以降、中国で土地バブルが発生し、新たな土地政策のため、さらに多くの農民が土地を失っている。
  • 土地を失った農民の就職機会は非常に限られ、35歳以上の農民のうち、30−40%が仕事が見つからない。広東省のデータでは68%の農民が失業状態で、新たな就職機会が得られていない。

2010.12.28

台湾のメディアが中国に買収されている件について

 先日台湾では、政治大学など、主要大学が台湾メディアの現状を非難する声明を発表した。それによると、台湾メディアの現状の厳しさがよく分かる。

 声明書を起草した学者は台湾大学、政治大学を含める台湾国内十ヶ所の大学メディア学科の学部長などで、この声明に連名の呼びかけに対して、短期間のうちに百名以上の教授の署名を集めた。

 声明では、メディア研究の専門家として、台湾メディアの現状について、社会に対し警告を発する義務があると、台湾メディアの惨状について言明している。

1,政府がメディア記事欄を購買し、政府の中国政策を擁護する記事を掲載させている現状について。

 政府がメディア記事欄を購入し、擁護記事を掲載する事は、民主主義において、メディアが果たすべき正確な情報を報道し、政府を監督するという基本的役割を逸脱する行為である。

 メディアは無節操な「提灯記事」を行っており、記者の身分と尊厳を侮辱しているだけでなく、マスメディアが綿々と築き上げてきた公正、正確、客観性など基本的価値を損なうことだと声明では厳しく非難している。

 またメディア各社は記事欄を売り飛ばし広告記事を通常の記事に偽装している。こうした状況が台湾では当たり前の状況となっている。 

 台湾大学新聞研究所の所長の林麗雲は、長期的には、台湾メディア市場が崩壊し、民主政治が大幅な後退を招くのではと心配していると述べている。

 また政治大学新聞学科学部長の林元輝は政府がメディア記事を買収する問題について、政府が努力して世論の支持を集めるのではなく、金銭で買収しようとしている、さらにその金も人々が納めた税金だと政府とメディアを厳しく批判している。

2.中国当局が台湾メディア上に広告記事を掲載し、広告記事を通常の記事と偽装している件について

 台湾は2008年に政権交代した後、中国各地の地方官が台湾訪問することが増加している。そして台湾メディアがその訪問を大々的に取り上げる特集記事を掲載することが増加している。しかしこうした特集記事は、中国が広告料を支払い、出稿した広告記事なのだ。 

 具体的な例では広東省長が台湾訪問した際、台湾の「中国時報」、「連合報」はともに特集記事を掲載した。しかしその記事は広東省が金銭を支払った広告記事だった

 このような広告記事は中国地方宣伝部が記事を執筆しメディア上では通常の記事のように偽装し、さらに他の有名記者の署名で、メディアに掲載された。


 こうした提灯記事の掲載は他の問題もはらんでいる、メディアは「広告主」の機嫌を損なう事を恐れ、その他の報道にも明らかな影響が出ている。例えば、劉曉波事件の取り扱いでも、明らかな影響がでている。

 すなわち中国との交流が拡大するにつれて、台湾メディアは中国にとってマイナスな内容を掲載する事を躊躇するような、1997年以前の香港のような自己規制するような状況が生まれつつある。

記事元 BBC

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 もともと台湾メディアは惨憺たる状況で、台湾をダメにしている原因の一つだったけど、よもや中国マネーによる報道買収が進んでいて、広告記事を偽装して、掲載していたとは事は知らなかった。

2010.10.30

中国がASEANで窮地に?という中国語記事

 まもなくASEAN首脳会談が開かれる。日本では菅直人と温家宝の首脳会談が行われるのかと言う点が注目されていた。

 先日までは首脳会議が行われる見通しだとという聞いていたが、、急きょ取り止めになった。日中関係の緊張は今後もしばらく続きそうだ。

 ところで中国内部では現在のASEAN首脳会談をどのように分析しているのだろうか、

中国側の分析で興味深いコラムが掲載されていたので、簡単に訳して見た。

原文は 東亞峰會:中國的角色危機

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 現在、アジアの指導者がASEAN首脳会談に参加するため、ベトナムハノイに集まっている。日中関係の緊張が今回の会議での主な焦点のひとつになると見られている。

 東南アジア国家には中国と領土問題を抱えている国も少なくない。こうした国家は日中間の対立がどのように展開するのか注目して見守っている。

 元来、アメリカはASEAN首脳会談に参加していなかった。しかし今回の首脳会談はヒラリーがアメリカ代表として出席している。これは来年にオバマ氏が直接、会議に出席するための足場固めだと見られている。ワシントンの専門家らは、こうしたアメリカの動きは中国の極東での影響力に対抗するためだと見ている。

 たしかに今回の会議で日中関係は非常に緊張した局面にあるといえる。ロイターの報道によれば、日中間の領土問題をめぐる対立はここ数年で最も高まっている。そして中国と領土紛争を抱える東南アジアの諸国家も、まさに始まろうとしている日中間のやり取りを非常に注目している。

 日中両国は温家宝と菅直人が会議中に首脳会議を行うのかまだ未確定で、そこからも日中間の対立の深さを窺える。

 当然の事ながら日中対立は今回のASEANのテーマの一つに過ぎない。今回の首脳会談でさらに重要なのは、従来の構成国以外にアメリカ、ロシアが参加したことだ。すなわち今回の会議はASEANにとって大きな分岐点となるだろう。現在、ASEAN首脳会談には中国、アメリカ、ロシア、そして日本、インド、オーストラリアなどの大国の参加している。このように多くの大国の参加は大国間の勢力争いによって不信が深まり、内部分裂するという潜在的な危機をはらんでいる。その対立がASEANの役割に影響するのではないのかという懸念がつきまとう。

 一般的に地域協力機構とはEUのように当地域の構成国から成立している。しかし近年のASEANはアメリカ、ロシア、インド、オーストラリアなど区域外の国家が参加し、大国間の矛盾、問題が東アジアの主導権争いを巻き込むようになった。ASEANの戦略構想とは、大国間の精力争いを利用し、その大国の勢力をによって、東南アジアに一種のバランスをもたらし、特定の大国が東南アジアで突出した力をえる事を防ぐ事だった。

 90年代からASEANは一貫して大国間のバランス外交を追求してきた。ASEAN論壇の成立させ、アジア、欧米の首脳を招く首脳会談の実施、関連国家から成立する10+3ASEAN機構の成立、区域外のインドがASEAN首脳会議の参加、アメリカとロシアの参加を歓迎する事、これらの事はASEANが大国均衡外交を推し進めた結果だといえる。

 こうしたASEANのやり方は、二点から読み取る事ができる。一つ目はASEANは、その組織そのものが、パンアジア指向を示している。インド、オーストラリア、ニュージーランドの参加は東アジアの共同体がさらに大きな活動空間を有する事を示している。インドは南アジア全体と結びつけ、オーストラリア、ニュージーランドの参加はオセアニアまでその概念を拡大する事を意味する。ASEANの開放的な吸引力によって、アメリカ、ロシアが参加する事が可能となり、この舞台で様々な問題を討論でき、さらに多くの問題を解決する事を可能としている。

 二点目はアメリカ、ロシアがASEAN首脳会議に参加する事はASEAN諸国による中国に対する対抗手段だと言える。ASEAN諸国の関係者は極力、否定していても、強大化する中国に対するバランスをとるためだというのはきわめて明らかだ。ASEANのある外交官は「中国の経済と軍事力が強大化する中、アメリカ、ロシアとの関係を強化する事は、力関係のバランスをとる役割を果たすだろう」とAFPの取材に答えている。バランサーがいなければ、中国が主導権をASEANの握る事になる。すなわちASEANが外部の力を借りて、中国の影響力を削ごうとしているのだ。

 ASEAN参加国が増強される事は従来の政治構造が大きく変容する事を意味する。中国が東南アジアで権益を拡大する事に大きな挑戦を受け、その権益をアメリカ、ロシア、インド、日本などに分割される可能性がある。

 現在のASEANでは、日本と韓国はアメリカの同盟国で、ロシアはベトナム、インドと伝統的に友好的だ。他の東南アジア諸国も良好な関係を保っており、多数の優位性を保っている。その中で中国は孤立無援で、一国では何もできない状況になりつつある。

 実際に中国のアジアに対する影響力はアメリカと比べるとはるかに劣る。たとえばヒラリー国務省大臣が南シナ海の主権問題で中国に対する態度を明らかにした際、東南アジア諸国はアメリカに追従する態度をみせた。そして中国はアメリカの外交攻勢に受動的な立場に余儀なくされたのは、周知の通りである。ここ数年来、中国は東南アジアに心血を注ぎ、交通施設の援助、経済的一体化など、ASEAN諸国を支持する活動を行っていた。しかしアメリカ、ロシアが一度、介入した場合、中国の数年来の努力は霧散してしまうだろう。

 確かに中国のアジアにおける地位は極めて重要な地位にあり、その一挙手一投足が重大な決定力を持つようになってきた。その経済力は日本をすでに越え、世界第二位のGDPを誇り、国際社会ですでに大きな影響力を有し、今後、中国、アメリカのG2が世界を牛耳るとも言われている。国際社会では中国は上手い立ち振る舞いをしていると言える。しかしアジアでは中国は将来的な展望を打ちだす事が出来ていない。善隣外交を行う以外、戦略的外交を中国は打ちだす事ができていない。ASEAN10+3、あるいは日中韓首脳会談なども、大勢の形成に従ったに過ぎない。

 多くの大国がASEAN首脳会議で勢力を競いあう中で、中国は厳しい局面を迎えている。これは我々が見たくない光景である。しかし角度を変えると、ASEAN諸国はメンバー国を拡充し、アメリカ、ロシア、日本、インドなどの国家で中国に対抗しようとしている。しかしその目的が果たせるとは限らない。それどころかASEAN諸国が追いつめられ、大国に振り回され、自業自得になる可能性がある。現在、中国が参与している国際組織はすでに多い、ASEAN首脳会議に精力をつぎ込む必要性はない。そうしたことで中国のASEAN首脳会議の役割を減らす事ができる。

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 このように現在中国はASEANで孤立し、数年来の外交努力が水の泡になる局面を迎えていることを認めている。事実、南シナ海の権益の拡大を目指す中国に対し、対中包囲網が徐々に形成されつつあり、この記事はこうした中国のASEAN外交の苦境に対する焦り、苛立ちを隠していない部分がある。

 

2010.10.19

近日、台湾の漁場が中国漁船に奪われているらしい

 近年、中国の違法漁船の問題が話題になる事が多い。日本近海でも、中国が不法に漁場を荒らしているという話も聞く。

このような中国違法漁船の問題は台湾でも起きている。台湾の場合、中国が台湾の主権そのものを認めていた無いため、問題はさらに複雑だ。


自由時報に、近年の台湾海域の現状について、興味深い投稿が掲載されていた。原文は「總統還「海洋興國」嗎?


 中国の100隻ほどの大型漁船が東シナ海の海峡線を越え、台湾の漁業関係者が生計を立てている西北漁場を奪い、その結果、台湾の秋ガニの収穫量が前年同期と比較して、約6割に減少し、台湾の漁業関係者は不満を募らせている。


 近年、中台の行政は双方の漁業関係者の交流を積極的に推進し、漁業資源保護宣言を発表し、漁業資源を増加させ、漁業関係者の収入増を目指すと発表していた事と照らし合わせると、とりわけ皮肉である。

 中国漁船が越境し、台湾漁場で不法な漁業を行う事はもはや珍しいことではない。中国漁船は天気の良好な日に、台湾の海域まで来て、不法に稚魚を捕らえ、海域の生態系を著しく破壊している。その行動は増長する一方だ。それに対し、台湾の海保の巡視船は多くの中国漁船に対し強制退去処分を採っているが、効果は限定的だ。違反を犯した漁船に対し、漁獲物と漁具を没収しているが、それほど効果を上げておらず、台湾国内の漁業関係者の怒りと不満を招いている。

 近年、沿岸漁業の資源は枯渇の危機に直面し、漁獲量は一年ごとに低下している。作業コストがますます増加する状況下で、台湾の漁業関係者はより遠くの海域で漁業せざる得ない状況に追い込まれている。しかし隣国の日本や、フィリピンに強制排除、ともすれば漁船を押収され、巨額の罰金を支払いを要求されている。また自分の漁場で漁業を行っていても、中国漁船の妨害、略奪を受けている。このような不法な行為に対し、政府はなぜより厳格に対処し、漁業関係者の生存権を保護しようとしないのか。

 台湾は周りが海に囲まれ、いうならば海洋はわれわれ台湾の「青い国土」だと言え、大きな発展の可能性を秘めている。馬総統は総統選挙の際、「海洋国家」のスローガンを打ち出した。しかし就任から二年経っても、具体的な成果が出てきてない。現在、台湾の漁民が自分の海域で安全に作業する事も保障できないという状況に失望せざる得ない。

 政府がかりに具体的な方法で、台湾の海域の主権を確保することができなければ、将来的に中国当局の漁業監視船、軍艦等が侵入し、台湾の経済海域が大きな危機に陥る可能性がある。その際、台湾の漁業関係者の生活が危機に直面するだけでなく、12海里の国土境界線まで迫り、台湾の国家主権と安全保障が脅かされることになり、軽視できない事態になる可能性がある。

 政府は海保に漁業保護する活動を強化するだけでなく、実際の成果で、政府が台湾海域と漁業資源を保護することを証明し、漁業関係者が安心して、作業できる環境を作り出す必要がある。その他に、中国の大型漁船が台湾海域に進入し、不法漁業を行っている事に、中国側に懸念を伝え、中国側に具体的な措置を要求し、漁船管理の具体的な方法をその成果を成果をしめすことが、両岸の今後の正常な拘留に必要なのではと。

2010.10.13

アメリカが台中接近する馬政権に警戒?

 馬英九が台湾総統に就任して以来、中国とECFA協定を結び、経済の一体化を推進するなど中台は急速に接近している。

 馬英九自身は中台の接近は両岸海峡の安定化に大きく貢献していると主張し、その成果を国内外にアピールしている。

 アメリカは現在の中台接近をどのように観察しているのか。先日、ちょっと気になる記事がVoice of Americaに掲載されていたので、少し訳してみた。原文は专家:台应与美日密切合作换取奖励

 国務省を務めていたRandy Schriverは先週、台湾で開かれた安全保障に関するシンポジウムに参加し、シンポジウム終了後、記者の取材に対し、気になる発言をしている。

 「アメリカ政府高官を含め、多くの識者が指摘しているように東アジア情勢の変化に伴い、アメリカは東アジア戦略を練り直していて、台湾の戦略的役割も調整される見込みだ。」

 「台湾の戦略的地位はまさに変化している最中である。それはアメリカの戦略変更のためであり、それは中国の影響のためだ。アメリカとその同盟国は現在、東アジア戦略を再定義していて、私個人は台湾はアメリカの東アジア戦略で重要な位置にあると考えている。今回のシンポジウムで、多くの識者も同じような認識である事を再確認できたことは意義ある事だと思う。」

 「確かに台湾は中国と関係を改善している。しかし台湾はアメリカ、日本との協力関係をより重視する必要がある。」と最近の中台接近に危惧する発言をした。

 「台湾は他の民主国家と共通の利益を有している。しかし同じ価値観を共有する民主国家と中国は地域の将来的なビジョンが大きく異なっていることを忘れてはならない。そのため台湾はアメリカ、日本との協力関係をさらに強固にすべき」と発言し、「これは中国との関係を改善するなと言う意味ではない、しかし同じ民主的な価値観を持つ国家との関係を重視する事こそが、最終的な国益となるのだ。」

 この発言のRandy Schriverは国務省を退任し、安全保障系のシンクタンクに就職しているため、彼の発言がアメリカを代表しているわけではない。しかし彼自身は親台派として知られていて国務省在任中も何度も台湾に足を運び、台米関係の強化を務めていた人物である。

 こうしたアメリカの親台派にとって、台湾と中国が経済的、政治的に急接近している現状をどのように分析しているのか、この発言はアメリカの微妙な姿勢を示していると言えると思う。

 台湾が軍事的にも中国の影響下に入る事になった場合、東アジアの軍事バランスは大きく変容し、アメリカの影響力は大きく削がれる事になる。そうした状況を快く思わない層も少なくないことをしめしている。

 もう一つ興味深いのが中国とは価値観が異なると強調している点。

最近の中国は国力の充実とともに、以前に増して、太平洋での影響力を増そうと、拡張を推し進めている。日本も先日の尖閣諸島を巡る対立で、強硬な中国の姿勢、反日感情に改めて中国と日本とは価値観が違う国家であると再認識した日本人も少なくないだろう。

 こうした中国の拡張と、民主主義国家の価値観とは根本的に相いれることは出来ないと主張している。

 尖閣諸島問題では、馬政権は明らかに中国側に肩入れする対応を見せて、中国の尖閣諸島での活動にはいっさい抗議せず、日本側のみに抗議し、日本側は台湾は、中国と連携するのではという疑いを強めている。中国自身も尖閣諸島問題で、台湾と連携し、中国の統一工作の一環として取り組んでいる節がある。

 そんなわけで、アメリカ保守層には、現在の馬政権の中台接近を必ずしも歓迎しているわけではないという話。

2010.10.08

台湾は今回の尖閣諸島を巡る対立をどう分析?(下)

台湾は今回の尖閣諸島を巡る対立をどう分析?(上)のつづき

Q,このような変化に対し、中国はどのように考え、反応すると考えますか。

高.現段階では、中国も今後の戦略をどうすべきか非常に慎重に考慮していると思います。見ての通り、中国の外交は表面的には、平和を強調し、オブラードに包んでいます、しかし国際政治に精通している人間から見れば、現在の中国は明らかに経済力、軍事力を利用し、東シナ海、南シナ海を越えて、その勢力を拡大しようとしています。また国際社会で中国が政治的、安全保障的でも、さらに重要な役割を担おうとしています。しかし障害はアメリカと日本がアジアの安定のため、いかなる役割を果たすべきか改めて検討している事である。特にインドが日本、アメリカと共同軍事演習を行うことは前例の無い事です。

 ここ数日、アメリカとAPEC各国は東アジアの問題を非常に真剣に討論し始めました。それゆえ尖閣諸島問題は氷山の一角だと言えます。事件自体はそれほど重要ではないです。しかし中国が今回の機会を利用して、中国の力をどのように誇示するのか、しっかりと分析する事が重要です。温家宝はすでに日本に謝罪と賠償を正式に要求し、今度どのように事態が推移するのか、中国は強行手段を採り続けるのか。また北京当局もいかに譲歩が難しい状況なのか理解したと思う、北京当局がどのような戦略で、知恵を働かせるのかしっかりと分析する必要があります。

 多くの専門家が提起しているように、尖閣諸島の対立の背景には石油、天然ガスの埋蔵など経済利益も深く関わっています。しかしこれらの問題は実務的な問題なので、実務的な対話によって解決が可能だと思います。例えば日中両国は東シナ海の石油、天然ガス開発問題を比較的実務的な態度で対応しています。ですから経済分野では双方妥協が可能で、経済的問題の解決は可能だと考えられます。

 しかし問題になるのはやはり安全保障、国家戦略の問題、そして国家的目標などです。主権概念や、国家利益、またはナショナリズムなど抽象的な問題は、時として激しい政治的論争を引き起こします。その背景には国家戦略的が存在します。日米中三カ国はアジアでいかに平和的に共存し、一方で友好関係を保ち、その一方で競争関係を保つかという問題です。

 アメリカの一部のアナリストは、アメリカは21世紀でも世界を主導するパワーを維持できるのかアメリカの基本的価値である民主、人権を最重視すべきか、それとも実務的な平和、経済利益を優先すべきか真剣に検討しています。すなわち中国の台頭とともに、その基本的価値観を妥協すべきか、堅持すべきか。理想と現実、どちらを優先すべきか、この問題はアメリカの外交政策、安全保障問題にとって最も重要な課題です。そのためアメリカ内部では現在も非常に激しい議論が続いています。

 オバマ政権を見ると、就任直後はイランやアフガン問題の処理のため、混乱し、消極的な外交を余儀なくされていました。しかし私が観察するところ、就任二年を過ぎ、ようやく現実を直視し、アメリカが世界を主導する地位を続けるか否か、非常に大きな国家戦略上の問題に取り組み出しました。


民主と人権


Q.世界情勢が変化する中、台湾の海巡署は巡視船を派遣し、尖閣諸島保護団体の護衛を行いました。では台湾はいかなる戦略をとるべきですか。

.尖閣諸島問題には台湾も深く関わっています。しかし現在の馬政権の政策はブレが生じていると思います。過去の民進党時代では尖閣諸島問題では象徴的な主権問題は堅持を維持し、妥協しない姿勢を打ち出す反面、現実を直視し,主権問題で事態が混乱してはいけないという姿勢をとりました。別の角度から見ると、我々台湾と日本、アメリカとは密接な関係で、台湾海峡の安定は非常に重要です。そのため漁業問題や、将来的な経済開発に関して、日本と実務的な対話を行うことに積極的でした。日本とロシアの「北方領土問題」で、主権を棚上げし、実務的な共同開発を行うというモデルを参照していました。

 しかし馬政権誕生以来、状況は更に複雑になっています。馬英九が就任後、尖閣諸島海域で、台湾の船舶と日本の巡視船が衝突するという事件が発生しました。事件発生後、馬英九は日本と一戦を交えることを辞さないと尖閣諸島の領有を強固に強調しました。馬英九の態度は現台湾の首相の吳敦義が二十年前の1990年、高雄市長に就任していた時、陸上大会の聖火を尖閣諸島まで持っていくと主張していたのを思い出しました。このような感情的な対応は日台双方を刺激し、衝突の危険性を高めるだけで、現実的な対応では無いです。その一方で馬政権は中国に遠慮して、中国側には台湾の立場を主張していません。台湾が中国の尖閣諸島事件でその先兵に成り下がるようなことになれば、それは台湾の基本的戦略から大きく外れることを意味します。

 台湾海峡という角度から見れば、台湾と中国は明らかに異なる政治、経済体制で生活しています。台湾の戦略目標は如何に生存し、平和で、安定的な状態を保ち、アジアに貢献する事だ。しかし中国の戦略目標は我々台湾とは異なっています。そのため台湾が過度に中国傾斜することは、我々の基本的理念、価値観を放棄する事を意味し、台湾が過去数十年来の努力に非常に大きなマイナスになるといえます。

 歴史を顧みるに、日本は1930年代、アジアの新秩序を築き、西洋の植民地を排除するという使命感を自認し、訴えました。たしかにそのスローガンは素晴らしいが、実際には何が起きたのか、よく省みる必要があります。  歴史研究者と社会科学者は二つの歴史の悲劇をよく見ます。一つ目の悲劇はヒトラーのように野心がもたらしたもので、もう一つは国家が台頭する過程で生み出される抗し難い野心、夢想が生み出す悲劇です。1930年代の日本の軍国主義は、こうした野心、夢想が非常に恐ろしい結果を招くことを意味しています。そのため台湾が果たすべき役割は非常に大きいです。中国が民主、平和、人権を重視する道を進むかどうか、しかしもし台湾が第二の香港になってしまい、経済利益のみを求めるのならば、中国の人々に与えるプラス影響も消えてしまうだろう。

 国益は短期的利益の追求になりがちだが、本当の長期的利益とは国家の基本的価値観を守る事だといえます。国家指導者は短期的利益と、長期的な価値観に対するしっかりとした認識が必要です。そして基本的価値観を堅持し、慎重に行動する必要です。さもなければ台湾の前途は暗澹としたものになってしまうと思います。

2010.10.07

台湾は今回の尖閣諸島を巡る対立をどう分析?(上)

 尖閣諸島を巡る対立では、先日、日本の菅直人と中国の温家宝両首相が、急きょ会談を行い、双方の尖閣諸島では主張を譲らないものの、双方の重要性を改めて強調し、いちおう緊張は緩和してきた。

しかし今回の対立で、日中間が潜在的に抱えている双方の安全保障問題を浮き彫りにしたともいえる。

 また今回の対立で、もう一つ注目されているのが、台湾の出方である。

 台湾も尖閣諸島の領有権を主張している。もっと言えば、本来、尖閣諸島問題は日本と台湾の問題である。中国はむしろ、この日台の摩擦に乗じて、主権を主張しているとも言える。

 今回の対立を、台湾側はどのように分析しているのか、現政権の馬英九は親中傾向を強め、今回の対立でも、日本のみを非難し、中国側には何ら抗議を行わず、日本側は台湾は尖閣諸島問題で、中国と手を結び、日本と対抗するのではと疑念を抱く結果となっている。

 一方、台湾内部でも馬政権の尖閣諸島対策に反対する声も小さくない。野党の民進党側は、馬政権が親中傾向を強め、中国共産党と連携するような姿勢に強い危機感を抱いている。

 民進党に近い自由時報では、民進党側が今回の尖閣諸島問題をどのように分析しているのか、元外務大臣を務めた高英茂にインタビューしている。尖閣諸島問題に対する民進党のポジションがよく理解できる内容なので、簡単に訳してみた。


事件の背景

Q. 今回の日中両国による尖閣諸島(中国語では釣魚台)海域での衝突をどのように分析していますか。

高英茂.今回の衝突事件は単純な偶発事件ではないと私個人は考えています。中国は一党独裁国家で個人の自由は大幅に制限されています。今回のように大型漁船が尖閣諸島海域で漁業を行ったのは、背景に何らかの政治的意図があったと考えていいでしょう。さらに今回の事件では過去の同等の事例とは大きく異なり、政府トップの温家宝が直接指揮を行うという最高レベルで対応しています。2009年にロシアで中国漁船沈没事件が起き、大きな騒動になりましたが、その事件の処理ではトップレベルまでには引き上げられていません。

 注意すべき点は新任の日本外務大臣の前原誠司の外交政策は前政権の鳩山、小沢ラインと異なり、親中派では無いことです。記憶に新しい所では民主党が政権交代を実現させた後、小沢一郎は前代未聞の大規模な訪中団を率い、中国に友好的な姿勢を強調しました。また鳩山由紀夫も普天飛行場移転問題に力を注ぐなど、中国に融和的な姿勢を見せていました。しかし菅総理、前原大臣の対中外交政策は、それほど融和的とはいえません。。

 これらの背景を合理的に考えると、菅新政権の対中外交は前任の鳩山の対中融和的な姿勢とは一線を画していました。それゆえ事件が発生した後、中国側はあえて日本に強行姿勢を見せ、北京はこの機会を利用して、管政権を威圧しようとしたのではと考えられます。

日米の国家戦略の大幅な変化

Q. 日米中の三角関係で、今回の事件ではどのような現状を表したと言えるのでしょうか。

. 鳩山、小沢が政権を担っていた間、日米関係は安保、同盟関係などで多くの問題が発生しました。特にアメリカ基地の移転問題や、東アジア全体の共同戦略でも問題が生じていました。管政権の成立後、管総理は「東アジア共同体」について、アメリカも含まれると発言し、アメリカのヒラリーやオバマ大統領も「われわれもアジアの国家である」と発言し、「東アジア共同体」という基本的な戦略枠組みの定義は、鳩山政権から概念から大きく変容しました。

 最近の一連の行動がオバマ米大統領のアジア政策が変化し続けていることを示しています。特に今年3月、北朝鮮が韓国の天安艦を攻撃するという事件が発生して以来、4月にアメリカ、日本、インドで大規模な会場合同軍事訓練の実施。7月、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドの共同軍事演習。そしてアメリカと韓国が天安艦事件以後、初めての軍事演習を行いました。またグアムで十日間の「勇敢な盾2010」演習を行う予定です。この演習規模は非常に大きく、2,3万名のアメリカの各種部隊が、南シナ海からグアムまで演習を行います。これらの行動からアメリカは日米安保の活動を重視している事が分かります。

 噂では今年12月ではアメリカと日本は共同軍事演習を実施し、その主な目的は安保条約が含める地域の軍事部署の強化、演習には沖縄から日本本島を結ぶいわゆる第一列島線 を含み、それは尖閣諸島も日米安保の保護下にある事を意味しています。それはヒラリー国務省大臣も「尖閣諸島は日本の管轄下にあり、日米安保条約第五条に含まれる」と明言していています。 すなわち日米の東アジア戦略はすでに非常に大きな変化を迎えていると言えます。

 9月初旬、ヒラリーはニューヨークの外交関連の委員会でアメリカの外交戦略に関する演説を行い、アジアの重要性を強調しました。スタンバーグ副大臣も9月20日にウィルソン国際学術センターで、日米両国はアジアの安定ため重要な役割を担っていくと協調しました。

 これら一連の行動はアメリカと日本の尖閣諸島事件に対する反応だといえます。同時に中国側に重要なメッセージを送っている。日米安保条約と日米の戦略関係がアフガニスタンやイラン問題でアジアを放棄する事は無いという明確なメッセージを送ったと言えます。


2010.09.22

中国はまもなく一人っ子政策を変更するのではとBBCの報道

 日本では出生率の低下、少子化が大きな問題になっている。

その一方では、中国は有名な「一人っ子政策」を実施しいて、人口の増加を抑制している。

 中国は毛沢東時代、人口が爆発し、急激に人口が増えていた。しかし急激な人口増は食料難、失業問題など多くの問題を引き起こす可能性があった。

 そのため毛沢東時代が終わり、改革開放時代の到来とともに、中国は人口抑制、具体的には一組の夫婦に対し、一人しか出産を認めないという「一人っ子政策」を始めた。

 一人っ子政策は1979年から始まり、すでに30年過ぎた。その結果、中国の出生率は激減し、中国当局は人口抑制の成果を強調している。だが一人っ子政策の弊害も無視できない状況になってきた。

 一つは男女の人口比率の不均等などがあげられる。中国では伝統的に男子が家を継ぐという観念があるため、妊娠後、検査で女子だと分かったら中絶し、男子なら出産するという産み分けが増えた。そのため男性の割合が増えて、多くの男性が結婚相手がいないという現状を招いている。

 他にも将来的に少子高齢化は社会福祉の負担を激増し、社会を停滞にもたらすと考えられている。なにしろ人口が12,3億人もいるため、中国がまもなく直面する少子高齢化問題は日本よりも、数倍大きな負担になるともいえる。

 一人っ子政策は多くの識者は一人っ子政策を改める時期が来たと考えている。

BBCで本当に「一人っ子政策」が人口を抑制したのか興味深いコラムが掲載されていたので、翻訳してみた。

原題は「分析:中國獨生子女政策真的奏效了?(分析、一人っ子政策が有効だったのか)

 中国当局は「一人っ子政策」によって、4億人も人口を抑制することに成功したと主張している。

 1980年9月25日、中国共産党は全党員、と共産党青年団員に対し公開書簡を発表し、子供の出産を一人に抑制することを率先して行うよう命じ、いわゆる「一人っ子政策」が始まった。

  中国当局は「一人っ子政策」によって、過去30年間で、4億人の出生を抑制し、人口増に伴う社会負担、経済的圧力を大きく緩和することに成功したと主張している。そして中国の官僚は「一人っ子政策」を変える事は無いと何度も強調している。

 一人っ子政策の実施は国内外で大きな賛否が別れ、出生を抑制しているのは本当に一人っ子政策のおかげなのだろうか、というのは冷静に改めて考察する必要がある。一人っ子政策だけが中国の大多数が出産を控える唯一の理由なのかと考えると疑問が残る。

 一人っ子政策が中国の人口を抑制したのかという見方に対し、は否定的な見解を発表している中国内外の学者グループがある。

 三年前、ある学者グループが「一人っ子政策に対する初めての系統的な研究」を行った。その研究によれば、確かに中国当局は人口の過度な増加を抑制する事に成功したと認めている。

 しかしこの研究グループのリーダーを務めたアメリカのカリフォルニア大学社会学部の王豊教授は、中国で4億の人口が抑制された主な理由は70年代(中国の70年代は大躍進運動、文革など中国は毛沢東の独裁政治よって多数の死者を出した)の出生率の低下が原因で、一人っ子政策によるものではないという結論を発表した。

 王豊教授によれば、中国の一人当たりの平均出生率は約5人から2人近くまで現状した。しかしこの出生率は中国が厳格な計画出産政策を実施する以前から始まったと主張している。

 出生率の低下は社会状況と経済発展が関係している。中国以外の東アジア諸国、例えばタイと韓国では、近代化とともに出生率は減少した。しかしこれら国家では強制的な一人っ子政策は行っていない。

一人っ子政策は変更されるか?

 中国当局が一人っ子政策を再検討していることは公然の秘密となっている。二年前、中国計画出産委員会副主任の趙百鴿は一人っ子政策を実施して30年間過ぎて、政府は現在のやり方をやめる事を考慮するかもしれないと述べた。しかし趙百鴿は同時に「漸進的」に変更する事になるだろうと述べている。

 いつ、いかなる方法で一人っ子政策を変えるのだろうか?中国政府当局は具体的には認めていない。しかしあらゆる点から、人口抑制政策は大きな曲がり角にあることを示している。

 中国では11月から新たな人口調査が行われ、この調査の結果が政策の調整に非常に大きな影響を与えると見られている。

 人口理論を研究している上海復旦大学の彭希哲教授は欧米メディアの取材で、中国ではきちんとした人口統計が存在せず、特に出生に関する統計が無い。政府がより正確な現状を把握する事ができれば、人口政策の策定に大きな助けとなるだろうと述べている。
 彭希哲教授は「人口政策をどのように調整するのかという議論は何年も続いている。しかし来年にも政策の変更を目にするかもしれない」と取材に答えている。 しかし人口と出生に関する正確な統計を行う事は難しい問題だと見ている。12億という膨大な人口とつねに変化する流動人口を統計する事は政府当局にとっても膨大な労力と物資が必要なのだ
  一人っ子政策自体も国勢調査で正確な数値の記録する事に大きな障害となっている。一人っ子政策に違反して子供を出産した人が政府に正確な子供の数を報告するのだろうかと心配する声が上がっている。
 人口政策が変更されるのではという観測のもう一つの理由は中国では第十二期五カ年計画を制定中であることが挙げられる。これは人口政策の見直すことに良い機会を与えるだろうと考えられている。
 中国政府は黑龍江,吉林,遼寧,江蘇、浙江などで改革を試行するのではという観測もある。
 一人っ子政策に対する疑問はますます大きくなってきている。高齢化や男女の人口比率の偏向など、一人っ子政策の弊害も明らかになってきた。しかしその一方で一人っ子政策を緩和する事に断固反対する勢力もある
 例えば全国人民大会代表、中国社科院マルクス主義研究院院長の程恩富院長などは、中国メディアの取材で、高齢化社会は何も恐れる事はないと発言している。
 今日の中国は30年前と大きく異なり、一人っ子政策を策定した際、政府当局には周りの「干渉」や制約がほとんどなく、政策を実施する事ができた。しかし現在の中国共産党の決定には人口政策に対する多くの論争を考慮する必要があり、以前の独断で決める事はできないのだ。


2010.09.08

台湾地方で国民党首長の評価がヒドイ件について

 台湾の雑誌は天下雑誌は定期的に大規模な世論調査を行っていて、各地方の施政満足度などを調査し、発表し、台湾のの地方世論の動向がわかる指針の一つだといえる。その天下雑誌が各地方の「県、市長の施政満足度世論調査」の結果を発表し、民進党系市長、県長は比較的高い満足度を保っている反面、国民党系の市、県では、満足度が軒並み低いという面白い結果となっている。また国民党の大物政治家として有名な苗栗県の劉政鴻、台中市長の胡志強は共に15位以下となった。

 この結果は、年末に控える台北など主要都市の首長選挙にどのような影響を与えるのか、興味深い結果になっている。

 天下雑誌による調査によれば、年末に選挙が行われる主要都市のうち、民進党政治家が首長を務める高雄県と高雄市、そして台南県と台南市では、共に高い満足度を記録し、市民から肯定する声が多かった。その中では先月、民進党を脱党し、高雄市選挙に出馬する事を表明している現高雄県長の楊秋興が首位となり、現高雄市長の陳菊は三位になった。一方、台南市は五位だった。また台南県は13名だったが、昨年と比べると、順位そのものは上昇している。
 その一方で満足度が低い地区は、胡志強が18位、汚職疑惑の中にいる郝龍斌に対する満足度は21位と低迷し、台中県の黃仲生は23位、台北県の周錫瑋は最下位という結果になった。

 こうした結果に対し、高雄の楊秋興はその結果を光栄に思い、高雄に対する使命感をさらに強めていくと発言し、陳菊は市民が政府に肯定的な評価を与えてくれた事に感謝し、さらに努力していくと発言した。
一方、国民党政治家の胡志強はこの結果を謙虚に受け止めると発言した上で、台中市が「もっとも住みたい市」、「さら競争力が高くなる」という項目では、1位になった事に喜んでいるとコメントした。  台北市のスポークスマンは台北市の経済力、福祉は共に評価が高く、政策の広報などが上手くいっておらず、将来的にさらに強化していきたいと発言している。また最下位になった台北県のスポークスマンは県長は非常に真面目に取り込んでおり、この調査結果は理解しがたいを発表した。

 次の世代を担うと見られている新任の首長では、 国民党系の政治家は評価は決して芳しくない。国民党政治家の首長で、もっとも高い評価だった台東県長の黃健庭の満足度でも17位に留まった。そして順位を大きく落としたのが新竹市で、高い評価をうけていた林政則が市長を退任した後、引き継いだ許明財の満足度は20位という評価で、前任者の評価から大きく順位が落ち、桃園県長の吳志揚も前任の県長の時から大きく順位を落とし19位になった。その一方で、国民党から除名された花蓮県長の傅崐萁は7位という順位だった。

一方、民進党は宜蘭県長に当選した林聰賢は2位という高い満足度を記録し、嘉義県長の張花冠の満足度も6位まで上昇した。

 この世論調査は2010年7月14日から8月8日まで、ちょうど政府が中国とECFAを結び、台中市の汚職疑惑や、苗栗の土地の収容をめぐる騒動の影響を受けた世論調査であるとのこと。

2010.07.21

ダライラマが中国のネットユーザーとTwitterを通じ、交流を開始

ダライラマがTwiiter上 中国にとって、チベット問題は最も敏感な問題の一つだ。そしてチベット人精神的支柱であるダライラマも中国当局が最も警戒している人物の一人だ。 ダライラマ(达赖喇嘛)は中国ではダライラマの影響力が増えないよう、当局は情報をコントロールしてきた。
 そんなダライラマ氏だが、すでに@DalaiLamaを登録し、発言をしてきたが、このアカウントは主に英語による投稿で、先日、@DalaiLamaCNで、中国のネットユーザーと対話を開始して、大きな話題を呼んでいる。

  1. 达赖喇嘛
    DalaiLamaCN 亲爱的中文网友们,很高兴能在推特上和你们直接对话。多年来,我利用各种机会和中国国内民众对话,但是因为时空的局限以及无所不在的封锁,交流范围往往很小,而我注册中文推特仅仅几天,就有数千中文网友和我建立了联系,可以直接收到我的信息;(一)
  2. 达赖喇嘛
    DalaiLamaCN 同时我也能在谷歌汇问上看到近1500名中文网友的问题和表决。透过这种不可阻挡的进步技术来进行交流,让我看到真理必然伸张的前景。感谢你们愿意和我对话,希望我们通过真诚的对话取得相互理解,并祈愿藏汉人民和睦友好、幸福安康。(二)
-- this quote was brought to you by quoteurl
 親愛なる中国語のネットユーザーの皆様へ、このように直接対話をする事ができて非常にうれしく思っています。長い間、私はあらゆる手段を用いて、中国国内の人々と対話をしようと試みてきたのですが、限界があり、すぐに封鎖されて、その交流は小さく留まっていました。しかし中国語のTwitterを登録した後、瞬く間に数千人のネットユーザーがフォローして、直接私の情報を届ける事ができるようになりました。 同時にGoogle上で1500名程の中国のネットユーザーの疑問と、公開質問状を読みました。技術の進歩によって、このような阻害されない方法で交流を行う事は、真理をさらに広まる事を予見させます。皆さんが私と対話を行おうとすることを感謝するとともに、真摯な対話によって、相互理解がすすみ、チベット人と漢民族の友好が深まる事を望みます。
 ダライラマ氏はTwitter上でこのように述べ、Twtiterを通じ、中国の人々と直接対話を行う事を述べている。
 もともと作家である王力維がダライラマと直接対話ができないか、模索していて、それに応じて、ダライラマがTwitter上で中国語のアカウントも所得して、中国語で対話を行うことを今まで、中国当局が徹底的にダライラマの発言を妨げ、中国内部ではダライラマを始め、チベット仏教を中傷し続け、弾圧してきた。そうした中、Twitterを通じ、ダライラマが直接、中国の人々にメッセージを届け、どのような反響を呼ぶのか、非常に興味深い。
*いちおう、中国内部はTwitterはブロックされ、直接アクセスする事はできない。しかし中国には「上に政策あれば、下に対策あり」という格言があるように、抜け道があり、Twitterには少なくない中国ユーザーがいる。

 質問1現在の状況から考えると、師が生きている間、中国当局と和平案がまとまるのは非常に難しいように思えます。師の亡くなった後、押さえが利かなくなり、ひかくてき過激なチベット人グループ藏青会などによって、大規模なテロが引き起こされる事はないでしょうか。むろん師が平和主義者である事は知っていますが、過激チベット人によるテロをどのように防ぐのですか、何か対策はありますか。
 回答1 全体からいえば、私が往生した後も、チベットの亡命組織、特に教育システムは引き続き運営され、発展していく事になります。またもう一つ重要な点は仏法の伝承です。現在、各仏法の宗派には20年、30年の修練を経て、宗派指導者を担う事ができるエリートがいます。行政組織という点から言えば、この10年間、私はすでに半分引退している状態で、政治的に重要な問題は選挙で選ばれた指導者によって決定され、将来もこのやり方を続けられる事になるでしょう。
 藏青会など一部の団体は私の中間路線を批判し、チベットの完全独立を求める声があります。さらにこうした意見は近年大きくなっている傾向があります。彼らの意見にも仕方ない状況があります。なぜなら私たちの努力は大きな成果を収める事ができず、かれらの主張は先鋭化する一方です。しかし全体から言えば、99%のひとが非暴力の和平路線を支持している事は確かな事で、心配する必要はありません。

 質問2 ダライラマ氏が自治を求めている大チベット区と現在の中国の行政地区では重複している地域が少なくないです。こうした重複するそ地域に住む他の民族、漢族はあなたが言う大チベット区政府によって、統治される事になるのでしょうか、非チベット人に対して、保証は守られることになりますか事になりますか。

 回答2 私たちは今まで、「大チベット」という名称を用いた事がありません。これは中国共産党統戦部による中傷だと言えます。私たちが求めている主張とは言語、文字が同じくするあらゆるチベット人の宗教、文化の保護、発展を認め、経済発展などでも平等な権利を求める事です。
 中国政府はこの点を認めていて、第五回チベット工作座談会では自治区とその他四川のチベット区の発展は統一部署による政策を行うべきと提案しており、温家宝も人民会議で同様の発言をしていて、これは現実的なやり方と一致しています。

 チベットといえば、チベット自治区を思い浮かべますが、しかし自治区に住むチベット人は200万人足らずで、実際には400万人のチベット人は、その他四川省などで暮らしています。私たちの要求は平等な権利です。
 例えば私はチベット自治区ではなく、青海出身です。歴史的にも、四川省のチベット集落からも多くの高名な高僧が誕生しています。現在でもインドのさまざまな宗派の寺院の指導者の大部分もチベット自治区出身は少なく、その他の地方からの出身が多いです。
 私たちが主張しているチベット人とは主に宗教と文化的な観点で、そのためチベット人全体の要求を提示しました。ようするに私たちの要求が分離独立ではなく、私たちが求めているのは、中華人民共和国という枠組みのなかで、自分たちの文化、宗教、文字の保護と発展です。
 自治の具体的な内容をより詳しく説明する機会があるならば、境内のチベット人によって、担われるべきです。脅しが無い環境下で、自由な協議を行えば、なんら困難ないと信じています。
 チベット内の漢民族に関しては、前回の対話で詳しい説明をしています。たとえばチベット自治区は500年前から漢人が居住していて、康和安多地区、とくに私の出身地には、漢民族が少なくなく、これら以前から居住していた地域に関しては、チベット人は、漢民族やチベット人以外の民族の居住を認めないという主張はした事はありません。
 重要なのは、チベット自治区では、チベット人が大多数で、その他の民族が少数でなければ、自治の意味がなくなってしまうということです。私たちが望むのは漢民族とチベット民族が長い間、共存してきた歴史のように、中華自民共和国のあらゆる民族が平等で、一つの家族として共存することを望んでいる事です。
From http://twitter.com/DalaiLamaCN


 このダライラマ氏の発言は、近年、チベットに漢族が多数移住してきて、チベット内でもチベット人が少数民族になってきている現状について、懸念した発言だと思われる。
 また中国政府の宣伝工作のため、中国人のチベット人、チベット仏教に対する偏見、差別意識は根強く、そのため、中国側ユーザーの質問は、こうした宣伝の影響を受けた発言も少なくない。続く。

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