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論評

2010.09.11

中国社会は詐欺、偽造に寛容すぎるのではというのコラム

 最近の中国はあらゆる人気商品の偽物が市場に氾濫している事がよく知られている。まあ日本も戦後直後の混乱期でも贋物、やまがい物が市場に出回るのは珍しい事ではなかったかもしれない。しかし日本では高度成長とともに、そうしたまがい物は淘汰されていった。しかし中国の場合、高度成長を遂げる一方、まがい物の商品は減るどころか、増える一方で、ますますひどくなる一方だ。

 しかしこうした偽造行為は、モノだけに留まらない。経歴の偽造、論文の剽窃など、何から何まで、偽物だらけなのだ。

このような中国の偽物が横行する中国の現状について、BBC中文版で、なぜ中国では偽物だらけなのか、少し興味深いコラムを載せてきたので、ちょっと翻訳してみた。元ネタはこちら

中国社会は詐欺、偽造に寛容すぎる

 9月6日、朝、パソコンを開いて、中国のネットニュースを見ていると、偽物に関する二件のニュースが目に付いた。
 一つ目のニュースは中国民航局が2008年から2009年まで、民間航空会社のパイロットの資質に対する全面的な調査の結果、多くのパイロットの飛行経歴が事実ではない事が判明し、経歴を偽っていた者が200名もいた事が判明した。
 中国メディアの報道によれば、この事実は8月24日に起きた「伊春飛行機事故」に対する中国民間航空局の初歩的な分析で、ようやくパイロットの能力と資質の問題が浮上してきた。
 二つ目のニュースは北京科技大学の情報学院の学院長の尹怡欣教授が執筆した八つの論文に盗作の疑いがあることは分かったという報道だ。2005年から2009年の間に発表された八篇の論文は、尹怡欣が執筆したのではなく、他の人が執筆したものだった。

 怡欣教授はメディアの取材に対し、「剽窃の疑いのある論文はみな、指導していた研究生、博士が書いたもので、発表する際、自分の名前で発表し、自分は指導教授、あるいは作者として署名していただけで、、「連帯責任があり、少なくともチェック体制にと問題があった」と応えた。
氷山の一角

 一つの目のニュースで、注意に値する点は、中国民航局が2008年から2009年の調査で、すでに200名のパイロットの経歴に偽造があった事が分かっていた。しかし8月24日に大きな飛行機事故が起きた後、緊急電話会議で、ようやくこの事実が公表されたという点である。
 ようするに、大規模な飛行機事故が起きてようやく経歴偽造の問題が注目を集めたと言う事だ。これは牛乳にメラニンを混合していた事件と似たような構造で、児童が死亡してようやく政府当局が動いた
 二つ目のニュースが大きく注目されたのは、権威ある有名大学の院長で教授だからだ。この事実は学術界で剽窃行為がいかに氾濫しているのかよく分かるニュースだ。しかしこれもニュースが氷山の一角に過ぎないのかもしれない。
先日、河南省が「曹操の墓」を発見したという発表の後、その真偽を巡る論争が尽きない。

 最新の報道によれば、河北籍の学者が、河南省安陽の「曹操の墓」の発掘が偽造であることを示す「確かな証拠」があると発表した。しかし現地の政府関係者はその証拠自体は偽証で、その学者を起訴する可能性を考慮していると発表した。

 中国では過去数十年間、多くの考古学的に重要な発掘があった。しかし「曹操の墓」のような真贋を巡る論争は珍しい事だ。これは「曹操の墓」が盗掘されていて、そのため、論争を巻き起こしたともいえるが、ある社会学者はこの騒動が起きる背景として、中国社会全体に誠実さ、信用が著しく欠けていることが原因にあると指摘している。
 信用の連鎖

 今年の春、中国で友達と食事をとった際、私はワインをとり出し、これはイギリス産のワインだ、皆の口に合えばいいのだがと話したところ。 友達の一人が、「このワインが本物だという保障はあるのか?」と聞いてきた。 それで私はこの酒は信頼できるチェーン店の保障がありして、私は、イギリスのの店で買ったこのワインは信用できると答えた。私は購入したワインショップを信用している。ワインショップも自分の仕入れ係を信用している。そして仕入れ係はワインセラーを信用している。こうした信頼の連鎖中で一人でもでも、信用を裏切るような事がすれば、ペナルティーを受ける事になるだろう。
「仕入れ係や、ワインショップにはどんなペナルティがあるんだ。」「仕入れ係は仕事を失うかもしれない、このチェーン店の一年の売り上げはだいたい200億ポンドあって、もし店が信用を失うようなことをすれば、そのリスクは考えるだけで大変だ、そのため店ではあらゆる方法で偽物を排除し、万が一を防ごうとするだろう。」「じゃあ、君自身にはどんなペナルティがあるの」「もし、これが偽物だったら、僕は君の信用を失って、今後、僕の話を信じなくなるだろう。」
中国社会は偽造に対し寛容すぎる

 下水油から西太平洋大学問題など、偽物の氾濫は中国で社会各層に広がっている現象だ。こうした状況は中国社会全体が偽造、偽物に寛容すぎると嘆くしかない。
 中国で偽造を行った者に対する処罰は非常に寛容で、驚くばかりだ。例えば学歴を偽造していた企業の幹部の一人は、その事実がバレた後、「一人が騙されただけでなく、みんなが私に騙された。これは一つの能力であり、成功した証でもある」という信じられないような発言をしたのである。
 もし正常な社会ならば、このような詐欺師は、厳格な処罰を受けるだろう。しかし同時に極端すぎる処罰でもないだろう。牢獄に送られる事はないかもしれないが、嘘つきというレッテルを貼られ、社会的制裁をうけるだろう。再チャレンジする機会まで奪われる事はないが、間違いを認めた上で、キャリアのスタート地点まで戻る必要があるだろう。 中国がこのような、偽造を容認するような風潮が変わらなければ、安全な生活環境を整える事も出来ないだろうし、下水油事件や、メラニン混入事件などの事件が今後もおきるだろう。

2008.07.17

そろそろ、マスコミから地デジ完全移行反対の論調が生まれるかな

昨日、中日新聞を読んでいたら、地デジ特集が組まれていた。その副題は 「不安と負担」。記事の内容は地デジ完全移行、すなわちアナログ放送停止に伴う負の一面、現在のアナログテレビを見ることが出来なくなる事、現時点での移行率は低くとどまり、2011年移行とともに、多くの視聴者がテレビを見る事が出来なくなる事。またデジタル化への移行費用の高さなど、すでに指摘されている問題の一部を改めて指摘したに過ぎない。

 ただし中日新聞は同時に中部地方の民放4局の大株主を兼ね、事実上、中部地方の放送権を牛耳っている企業であるという側面を持っている。
 その中日新聞が地デジと利害が深く関わっているのは、言うまでもない。

 放送側は北京オリンピックなどスポーツイベントを地デジ移行の原動力としたいと思っていたに違いなかっただろうが、中国のチベット問題や最近の物価上昇、景気低迷の影響を受けて、この夏で地デジ移行がどのていど進むのか、不透明だ。

 このまま地デジ完全が進めば、最も損害を受けるのは、視聴者ではなく、現在の視聴者数より大幅減が起きる民放である。収入の大部分を広告収入でまかなう現在のビジネスモデルが崩壊するのが目に見えている。

 そろそろ大手メディアから、今の利益構造が大幅に変化が起きる事を恐れ、視聴者保護という名目で、地デジ移行反対運動の論調が起こるのかな。

2007.07.19

“黑磚窯”案が示すもの

 BBC中文版の報道で、“黑磚窯”奴隷案の被告の一人が、労働者を殺害した罪で死刑を宣告され、他の被告も無期懲役が言い渡された。一方で“黑磚窯”のオーナーである王兵兵は非行禁固の罪で、懲役9年が言い渡されたと報道された。BBC

 その判例が言い渡される前日の7月16日、山西省紀委は95名の党幹部の処分を発表し、そのうち洪洞県長兼県委副書記の孫延林は、県委副書記の職を解かれ、県長の職も辞任するよう勧告している。

 これらの処分を下すことで、中国当局はこの問題の幕を下ろそうとしているのかもしれない。

“黑磚窯”案とは

 山西省にあるレンガ製造工場が誘拐、または詐欺的な方法で、集めた児童らを含む労働者を集め、過酷な労働条件で酷使し、利益を搾取していたことが判明した。

 これら労働者、児童の多くは駅、または道端で、誘拐、または500人民元ほどで売り飛ばされた人たちで、工場に到着後は早朝5時から深夜1時まで働かされ、給料は支払われず、わずかな水とマントウのみが与えられていた。

 そして労働中は、少しでも休んでいたら、監視係から体罰を受け、そうした体罰や過酷な労働条件ですでに死去した労働者も少なくない。

 また生き残っている労働者のなかにも、あまりの過酷な労働のため、身体的、精神的に傷を負った人も少なくなく、中には自分の氏名のみしか覚えていないという被害者もいた。

 こうした奴隷のような扱いを受けつつ、労働を強いられている未成年者は山西省だけでも1000名以上あるという。

 

レンガ工場が運営できた理由

 このレンガ会社の経営者、王兵兵の父親は洪洞県人大代表ならびに曹生村党支部書記を勤める地方の共産党の有力者だった。こうした地方政府の後ろ盾があったからこそ、上記のような不法な工場経営が可能だった。そして長期にわたり、地方警察、監査する立場の地方政府はレンガ工場の運営を見てみぬ振りをしていた。

事件が表面化した理由

 上記のような非合法な経営は、山西省のレンガ工場が例外ではない。過去にも同様の事件が起きたことがある。しかしその際では、地方記事に小さな記事が書かれたのみで、多くの注目を集めることがなかった。政府当局が情報をコントロールし、必要以上に情報が拡散することを恐れ、報道規制したからである。

 しかし山西省“黑磚窯”奴隷案のニュースは中国全土に広まり、多くの中国人を震撼させ、結果として、中央政府自らがこの問題に取り組むことになった。

 この事件は、ネット上で被害者の父兄400名が連名で、子供らの救助の助けを呼びかけたところ、その情報はさまざまなBlogやBBSに掲載され、瞬く間に中国のネット界に広まり、その非人道的事件を解決するようにする声が高まった。

 さらにこの事件には、地方政府が悪徳業者の後ろ盾になっているという側面があり、共産党に対する不満も高まった。

 こうしたネットを中心にした情報の拡散こそが、この事件が表面化し、結果として中央政府も事件に介入し、工場の取り締まり、大々的な報道、そして早期処分に繋がり、217名の労働者が吸湿された。

 ちなみに連名を出した被害者の父兄400名のうち、実際に自分の子供を見つけられたのはわずか100名足らず、300名はまだ見つかっておらず、まだ他の工場で労働している、または過酷な労働条件に耐え切らず、すでに死去している可能性が高い。

 今回の事件では、ネットで話題になり、事実が表面化したが、この事件は氷山の一角として見られ、中国全土には、こうした工場がまだたくさんあると見られている。

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“黑磚窯”案が示すもの

 今回の事件は、中国の負の一面、すなわち未だ労働者が前近代的な労働条件で、搾取されていること。そして官憲と結託し、不法な利益を得ている資本家が存在していること。

 そして何よりも、中国の情報コントロールが効かなくなりつつあることも示している。

 中国当局は、ネットでも情報統制を進めようと、躍起となっているが、中国の言葉に「上に政策があれば、下に対策あり。」という言葉の言うとおり、規制をかいくぐって、当局が規制しようとする情報も表面化するようになりつつある。

 今回の事件も、ネットが存在しなければ、社会に表面化することはなく、仮に解決されても、多くの人々の注目を集めることはなかったのかもしれない。

 すなわちネットの普及が、中国当局の一方的な情報コントロールが制御できなくなりつつあることを示しているかもしれない。

2007.07.15

解嚴二十年:不願面對的真相!聯合報7月15日の社説

 戒厳令解除二十周年を迎えた台湾で掲載された社説。

下記は聯合報に掲載されていた社説。国民党系メディアが、この二十周年をどのように論じているのか、この社説によく現れている。

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 戒厳令が解除され、20年を迎えた。国民は自問すべきだ。当時、戒厳令を解除を求めた目的はなんだったのか、現在、当時の目的を実現できたのだろうか。

 戒厳令解除から20年過ぎた今、台湾の憲政体制の実際の運営には二つの目的しか残っていない、一つは、汚職の疑惑から、陳水扁を一切をかまわず、その権勢を維持すること。第二は、後の結果にかまわず、陳水扁と民進党は自己欺瞞の台湾独立の詐欺を続けることだ。

 戒厳令解除から20年で、これが当時、戒厳令解除が求めていた国家の目標だったのだろうか、これが戒厳令解除20周年がもたらした最高の憲政の成果だったのだろうか。

 20年以来、台湾は戒厳令解除だけでなく、政権交代が行われ、さらに台湾独立の実験が繰り返されてきた。だが憲政は崩壊し、政治はかくも腐敗している。これが当時の民主運動家が求めてきたことなのだろうか。政権は確かに交代した。しかし「失敗し、正義は跡形もない」と言える。これが当時求めていた政権交代だったのだろうか、台湾独立の実験は繰り返されているが、いわゆる「台湾独立」は「エスニック間の闘争」に成り果て、「陳水扁を擁護し、汚職を貪る」ための運動に成り代わってしまっている。これが当時追い求めていた台湾独立なのだろうか。

 20年後、戒厳令解除は当時、想像していた戒厳令解除ではなく(戒厳令解除は、汚職と憲政の崩壊なのか。)政権交代は当時、想像していた政権交代ではなく(政権交代は、このように失政と、道徳的に腐敗した陳水扁政権を作り出すことだったのか)台湾独立さえも、当時、標榜していた台湾独立ではなく(台湾独立とは、分裂と社会を分断するものか、台湾独立の政治はかくも腐敗しているのか)

 われわれはかつて戒厳令解除は「渡らなければならない河」と主張した。しかし戒厳令解除後の台湾は、「河を渡った後、誤って岸に乗り上げてしまった」戒厳令解除から20年以来、台湾社会の真実とは何か、我々は真相を直視するのを望まないのか。

 20年来、常に間違った政治的論述がある。それは偽造、歪曲など各種の形で現れている。それは台湾の民主化と戒厳令の解除は民進党と台湾独立運動の功績であるという論述である。そのため民主が台湾独立と同視され、戒厳令の解除の目的が台湾独立への追求となってしまっている。

 20年前の戒厳令の解除で、民進党の前身である「党外」はむろん中心勢力の一つだった。しかし雷震の《自由中国》は早期台湾民主運動の先駆であり、美麗島雑誌より先に、陶百川、胡佛など自由主義者が民主憲政の論陣を張り、夏潮と陳映真ら「中国民族主義・本土社会主義」の問題提起を行い、それが当時主流の抗議思想だった。また許信良、張俊宏なども当初は「国民党改革派」から出発した。そして蒋経国の役割も無視することはできない、仮に蒋経国が戒厳令解除の準備をしなければ、また自ら戒厳令解除を宣言しなければ、「和平革命」の実現はなかった。そのため戒厳令の解除とは、台湾の40年に渡る社会努力が成し遂げたもので、台湾独立への道ではない。

 国民は自問すべきである。すなわち憲政の目的、戒厳令の解除は「中華民国を打ち倒し、台湾共和国を打ち立てる」ことなのだろうか、そして戒厳令解除は半分の人民を台湾人であることを否定することなのだろうか、そして彼らが「台湾を愛する」資格を否定することなのだろうか。あるいは戒厳令解除が今のような「無法無憲」の政治を生み出すことなのだろうか。戒厳令の解除が腐敗し、無法の総統家族を生み出すだけなのだろうか、戒厳令の解除が執政者が引き続き司法を操り、株式を操作することなのだろうか。

 目前の異常な状況は、執政者はただ戒厳令を呪うのではなく、戒厳令解除後おきた政治上の罪を反省し、懺悔することを知らない。

 戒厳令の擁護者は「台湾の戒嚴令とは100分の3しか実施していない」と擁護していた。今も「民主憲政は100分の3しか実施されていない」という人もいる。これは比喩に過ぎないが、真実を語り、国民にとっての苦痛である。

 真相を直視すると、今見ている戒厳令解除は当時の想像から、かけ離れ、政権交代、台湾独立も同様である。戒厳令解除から20年を経て、民主憲政は崩壊し、ただ腐敗した陳水扁を擁護するだけで、自己欺瞞の台湾独立のスローガンのみである。このような真相は、直視したくなくても、国民は厳粛に受け止めるべきである。

http://udn.com/NEWS/OPINION/OPI1/3928777.shtml

7月15日 聯合報社説

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 普段、あまり国民党系メディアの社説を取り上げることは少ないが、戒厳令20周年ということで、取り上げてみた。

 この社論に対するツッコミ

  1. 陳水扁政権の汚職を強調しているが、国民党の汚職問題はどうなのか、とくに馬英九も起訴されていて、馬英九だけでなく、地方レベルでは国民党系県長も汚職で起訴されている現状について。
  2. 戒厳令を敷き、自由を制限してきた国民党の功罪をどのようにひょうかすべきか。
  3. 台湾独立運動は社会の分裂を招いてきたと強調しているtが、陳水扁就任後、主に抗議デモを行い、混乱を招いているのは国民党側であること。
  4. 社説では陳政権が台湾政治の混乱を招いたとしているが、主な混乱の原因は、総統が民進党、一方、立法府は国民党が多数を占め、その矛盾が台湾政治の混乱に拍車をかけている、国会で多数を占める国民党の責任について。

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